その12 VR6

ドイツのバイクメーカーHOREXのコンセプトモデル



VR6



レベル不明




たまには海外のコンセプトモデルでも紹介。

ドイツの二輪メーカーというと有名どころBMWがあります。
国内で見かけるドイツメーカーと言えばまずBMWであり、
極希にSACHSの原チャとかMZのスコーピオンとか見ることがありますが、
やはりBMW以外のドイツメーカー車に遭遇することはまずないでしょう。

いえ、スコーピオンの遭遇率なんて奇跡のレベルですが。


そんな国内では名前を聞かないドイツメーカーHOREX
その現車を国内で見かけることはまず無いかと思います。
HOREX自体は二次大戦後~60年代まで空冷単気筒のバイクをだしていた古いメーカーです。
その後はちょくちょくコンセプトモデルの発表という形でバイクを出していたようですが、
'80年代の終わりあたりにOSCAなるバイクを出して以来20年ほど音沙汰無しでした。







Horex VR6

Horex VR6 1
VR6 Roadster('10)

そして2010年、だいぶ久々に発表されたコンセプトモデルがこのVR6です。


なんというか……渋い。

ツインスパーフレームに心細いシートレール。
ぶっとい倒立フォークにアップサイレンサーは間違いなく近代車の装い。

しかしキャメルレザーのシート、これが妙に渋い。
これだけでこれほど印象が変わるとは思いませんでした。

さて、外観もなかなかよろしいバイクなのですが、
VR6が恐ろしいのはなによりエンジンでしょう。


諸元を引用してみると--

Spec’s:
- Engine: 1200cc, 15 degree V6 triple overhead cam, 3 valves per cylinder + supercharger
- Final drive: belt
- Peak power: 175 – 200bhp
- Suspension: 50mm inverted forks front, single-sided swing-arm/monoshock rear
- Frame: Cast Aluminum
- Weight: 526 pounds
- Top speed: electronically limited to 250 km / h (155 mph)



--なんとビックリV型6気筒エンジン。
しかもTOHC。


BMWのConcept6もそうでしたがドイツは6気筒ブームでも来てんのかと突っ込みたくなります。
しかも寄りによってエンジンがV6。完全にアメ車とかそんな構成です。
面白いのはVバンクの角度がわずかに15度しか無いこと。
TOHCはここに起因するのでしょう。

V型エンジンは並列エンジンに比べて同じシリンダー数でもエンジン幅を抑えられます
ところがシリンダーの位置が前後に分かれるため吸排気系の取り回しが面倒になります。

また左右幅前後幅に振り分けるようなものなので、ホイールベースも長くなりがちです。
並列エンジンならば前後幅や吸排気系の問題はなくなりますが車幅が出てしまいます。


そこでこのエンジンではVバンクの角度を15度に設定、
角度が小さいため前後幅を必要以上に伸ばすこともなく、
15度分だけシリンダーを前後にずらせるためエンジンの左右幅も詰められます。
3本のカムシャフトは、真ん中のカムが
リアバンクの排気とフロントバンクの吸気を兼用しているのです。
ほぼ並列エンジンと同じような並びなので吸排気系も並列と同じように取り回しできます。
そのためフロント側から6本のエキゾーストパイプがでています。

V型エンジンにこんな使い道があるとは……恐るべきHOREX。


--なーんて言いましたが、
このエンジンは実はフォルクスワーゲンの自動車用エンジンです。

ちょいと前に搭載されていたもので、
古参バイクメーカーであるHorexの復興にワーゲングループが一役買った形でしょう。



Horex-Triple-Cam-VR6-Engine.jpg

ヘッド回りのこの画像は見ていてワクワクしますね。



さらに恐ろしいのはこのバイク、スーパーチャージャーがついてること。

スーパーチャージャー(SC)とは過給器の一種で、
簡単に言うとエンジンパワーの一部を利用して
シリンダーに無理矢理燃料をねじ込む装置です。

国産の自動車では過給装置というとターボチャージャーが一般的ですが、
トヨタのMR2などはSCを採用していました。
ターボが高回転でパワーアップするのに対して、
SCは低回転でパワーアップするという特徴があります。

1200ccのV6エンジンをSCでブースト……
これ3速までウィリーするんじゃ無かろうか。

外観は渋いながら中身はしっかり狂っている。
素晴らしいバイクです。

一応市販を考えつつ作られたそうですが、
日本円換算の200万円オーバーのプレミアムバイクになってしまう可能性が非常に高いらしく、
古参とは言え数十年名前を聞かなかったメーカーからプレミアムバイクが出ても
売れるかどうかが問題視されているようです。



'11年7月11日時点




'13年10月13日追記



受注生産で作ってるようです。


えぇ、もう開き直ってプレミアム路線貫きました。



Horex VR6 Classic
VR6 Classic('14予定)

バリエーションも増やす予定らしいです。


ちなみに現在のHorexのホームページを見てみたところ、
Roadsterの詳細情報が見られました。
エンジンはスーパーチャージャー無しで160馬力くらいに抑えられていました。


ドイツ、スイス、オーストリアに限定して販売。
近々フランス、イタリアに販路を拡大予定とのこと。

価格はドイツ国内で22500ユーロ



今ちょろーっと調べてみたら1ユーロ133.5円だったので--






300万。




デザインは好きです。

好きですが300万出して買うかと言われたら買わんッ。買えん。


こう……せめてモトグッツィ並みの価格になってくれれば……。



Horexの今後の復興に期待です。

2011/07/11 00:18 | レベル不明COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

Mzスコーピオンですが、90年代後半頃レッドバロンにて
\398,000で買える660ccとして専売されており、店頭でよく見かけましたな。
エンジンは当時の東ユーロシングル界(どういう界か)でロータックスと勢力を二分する
ヤマハの5バルブ搭載でしたので信頼性は高かった様ですが売れ行きはおそらく(略。
ともあれ、時としてバロンは
いきなりよく分からない逆車や輸入バイクを扱いだしたりするので侮れないですね。

No:3035 2015/01/05 10:10 | 1677 #- URL [ 編集 ]

返信

>1677さん
レッドバロン店頭に整備待ちのスコーピオンが居た理由がようやく判明しました。
そういうことだったのか……。
そして現在はヒョースン。
MZのままでよかったのに……。

No:3042 2015/01/10 21:26 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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No:3684 2015/07/27 12:39 | # [ 編集 ]

返信

>ゆんさん
仰る通りで……その辺りは閑話ネタで触れたので本文中ではいいかなーと。

No:3720 2015/08/07 21:23 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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