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その35 ZZR600

中間排気量に潜むモンスター


ZZR600


無縁レベル:3




500~700ccクラスのバイクというのは日本では日が当たらないクラスです。
原因は恐らく免許制度とかつての国内排気量規制

前者はご存じの方が多いと思われます。
日本のバイクの免許制度は原付を除くと大きく2つに分かれ、
それぞれ普通自動二輪(中型限定)、大型自動二輪免許となっています。
中型限定では400cc未満のバイクしか乗れません。
よって中免持ちの選択肢としては、
車検のない250ccか上限の400ccクラスに絞られがちです。

後者は'69年発売されたCB750Four(K0)が
自動車を遙かに凌駕する性能を持っていたことから、
国内販売の上限排気量は750ccとして業界が自主規制していたもの。
90年代初頭にこの規制は撤廃され、
750cc以上のバイクも国内向けとして発売することが可能となりました。
(馬力規制に関しては後々まで残りましたが……)

この2つの制度の関係で、
バイクの排気量の選択肢は自ずと250 400 750 それ以上、となります。
大型免許を持ち合わせていないと乗れない500~700ccクラス、
しかし大型免許を持っているなら750とか1000ccとかに乗った方が--
などとみんな考えてしまう訳です。


一方海外では軽量でパワーにそこそこ余裕のあるこの半端クラスは
それこそ足バイク兼趣味バイク的な位置づけとして重宝されていました。
日本のメーカーも海外向けでは500cc 600ccクラスに色々と展開しており、
中にはクソッ国内で売りやがれ!と思う良車種もあります。

実際の所体格に恵まれづらい日本人にとってもこのクラスの恩恵は大きく、
近年はメーカーも750ccに拘る必要がないことから
半端排気量の車種がどんどん増えております。



そんなクソッ国内で売りやがれ!な車種の一つがコイツ。




Kawasaki ZZR600 90
ZZ-R600 ('90)

GPz600Rの後継にあたり、
当時世界最速を誇ったZZR1100の兄弟車です。
弟分にはまったく同じ姿をした400とシリンダーが2つ減った250がいます。
またどこかの国の免許制度に合わせたZZR500も存在しています。
なのに750がないZZR……なんじゃそら。


主要スペックはと言うと--

水冷DOHC4バルブ並列4気筒599cc
最高出力98馬力/11500rpm
最大トルク6.5kgm/9800rpm
乾燥重量195kg



……えーと

弟君のZZR400はというと

最高出力58馬力/12000rpm
乾燥重量193kg



なんだこれ。


それもそのはず。
実は600と400は車体は共通。
エンジン重量分の+2kgということですね。
しかし馬力は+40馬力
ちょっとピーキーすぎやァせんかい?


ZZRというとレプリカブームの最中登場し
1100を彷彿とさせる400のその大柄な車体、丸みを帯びたカウルのスタイルは
お世辞にもスポーツ車には見えずツアラー的なイメージがありました。
実際にスペックもレプリカと比較すると重めの車重で、
馬力規制後は53馬力に落とされた事もあって
4気筒ツアラーという位置づけで落ち着いていたと考えられます。

ところがどっこい排気量が200cc上がっただけの600は紛う事なきスポーツ車
恐ろしいことにコイツのこの車重は
当時のKAWASAKIの750レプリカZXR750より軽いのです。

レプリカより軽いハイスピードツアラーってなんだ……


軽くコンパクトな車体、
高回転型エンジンという現代の600SSに通じるコンセプトを
'90年すでに体現していたZZR600。恐ろしいヤツです。


そしてデータを漁っているとさらに恐ろしい事実が発覚。



Standing ¼ Mile(ゼロヨン参考データ)


ZX-6R('12)
11.1sec.

ZZR600
10.9sec.




ゼロヨン加速で現行車より上……?


ゼロヨンのタイムなんてライダーの技量に大きく影響を受けると思われます。
流石に現行より上というのは言い過ぎで
あくまで参考程度のタイムと考えるべきですが……

その誤差を考えても恐らくZZRとZXの加速タイムは同レベル。
車重ではZZRが20kg以上不利です。
ZXのエンジンは高回転化高出力化が進んでおり、
古いZZRよりも低速トルクが劣るためこの結果になった、というところでしょうか。
それにしても20kg以上の車重差をものともしないこの加速能力。

多分--というか間違いなく、
コイツは当時の750レプリカ勢に劣らぬカリッカリのスポーツマシンです。





とても20年前のバイクとは思えないスペック。
その外観、丸みを帯びたツアラーながら中身は高回転型のモンスター。
まさに羊の皮を被った狼 ZZR600。

こういう癖のあるバイクにこそ、巡り会いたいものです。

2012/02/17 19:06 | 無縁レベル 3COMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

No title

一度だけお客様の車検を取りに検査場まで走らせた事があります。250までしか乗った事が無い自分でしたが重心の低さから来る乗りやすさに感動したのを思い出しました。ドキドキワクワクするバイクは時代が経っても良いものですね♪

No:1003 2012/10/20 17:43 | #- URL [ 編集 ]

あれ?

でも600ccで193kgて結構重いよ。GPX750Rは195kgで国外用は100馬力あるから。

No:1644 2013/11/10 12:01 | 米国忍者 #- URL [ 編集 ]

実は、試験所一発試験で大型取った直後は、こいつが欲しかった。
けどその後、ZX-12Rが発表されて浮気しちゃった。
どっちにしても無縁レベル高いなぁ。

No:3542 2015/06/07 18:32 | B1黒金 #- URL [ 編集 ]

当時の雑誌記事の記憶

この初期型ZZ-R600は有名レーサー主催のライディングスクールの車両として使われている、という記事を当時見ました。
ケニーロバーツJrだったか誰だったか。。記憶があいまいですみません。
400と並んで、良いバイクですよね。

No:3961 2015/11/19 09:49 | ダブルズィーアール #un4oMVc2 URL [ 編集 ]

確かにZZR400はでかかった。大型の教習でCB750が大きいとは思えなかった。あと400なのに燃費が良くなくてリッター20キロもいかなかった。もともと600が前提と聞くと納得だわ。

No:4824 2017/07/06 15:23 | GEN #- URL [ 編集 ]

乗ってました

大型免許取ってリターンライダーとなり購入した1台目がコイツです。2003年型。
2006年の購入当時、他の国内仕様バイクはリッター以上でも100psの自主規制が入ってましたから、馬力比較なら同等で、こっちの方が扱いやすそうというのが購入動機でした。
6000rpm超えてからガツーンと回るのが心地良く、かといって中低速域で不足ということはなく、フツーに乗れてました。zzr400で良く言われていた鈍重というのとは無縁です。こっちが本家ですから当たり前なんでしょうけど。
車検で排ガスで引っかかり、バイク屋で調整されたんですが、それ以前は燃費は23~27km、以後は20km前後に落ちました。8年間、特に不具合もなく、32,000kmをしっかり走ってくれたいいヤツでした。
今はNINJA1000に乗ってます。

No:5096 2018/12/16 23:21 | #- URL [ 編集 ]

継続所有

車検取ったり切ったりですが、1991年から継続して持ってます。D型ばかり、現在3台。1号車は10万キロ以上走ってます。このバイクは当時の600ccプロダクションレースも見据えたバイクでしたので速いですね。デビューイヤーで優勝してた記憶が・・・どこの地域のかすっかり思い出せませんけどね。

No:5252 2022/12/09 18:47 | #BJhqm4Yk URL [ 編集 ]

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