その43 DragStar

中型アメリカンの確立



DragStar



無縁レベル:1




かつてはロードスポーツのバリエーションとして作られ、
ハーレーを模したスタイルを持つジャパニーズクルーザー「ジャメリカン」

現在の大型自動二輪免許にあたる「限定解除」が難しかった時代、
中型クラスでは様々なジャンルのバイクが展開されていきその中にジャメリカンもありました。
しかしユーザーがジャメリカンというクルーザーに求めたのはあくまでハーレーであり
クルーザーとしての新しい価値を模索した大半のジャメリカンは大成することはできませんでした。
そもそもハーレー自体が大排気量のトルクを活かしたクルーザーだというのに、
それをトルクに欠ける中型という限定排気量域で再現しようというのですから
並大抵のことではありません。
'88年に登場したHONDAのSteedが中型におけるハーレーコピーを大幅に進化させ、
大型並みの車格を中型に与えることに成功しました。

ここに完成したかと思われた中型のジャメリカン。
しかしYAMAHAはこれをさらに煮詰めて発展させたのでした。






dragstar400.jpg
DragStar('96)




先代のViragoから大幅なリファイン。
一見リジッドに見えるリアサスを見せないフレーム。
フロントフォークを寝かせローダウン化を促進。
シリンダヘッドに被るほどにタンク位置も下げつつ
タンクの横幅を確保することで車体の重厚感とタンク容量を確保。
テールの分厚さも先代のソレとは比べものにならず、
マフラーは奇を衒わずスタンダードなメッキのテーパード2本だし。
エアクリーナーカバーもハーレーを彷彿とさせるシンプルで大型のものに。

エンジン形式はViragoと同様に70度の空冷Vツインなんですが、
実はクランクケース以外全パーツ新設計という思い切ったリファイン。


中免持ちの若造がメンテどころかワックスさえかけてない車体ドラッグパイプを装備してエキゾーストという名の騒音を奏でながらドヤ顔で街を行くバイクというイメージが私の中で勝手に形成されていますが、その実車体そのものは非常にまじめに作られたバイクなんだなーと感じました。


なんせSteedで改善されて以降、
SUZUKIもKAWASAKIも似たような中型アメリカンを作り始めましたが、
各社とも採用していたのは水冷エンジンであって、
熱的に不利で面倒な空冷エンジンに拘っていたのはYAMAHAだけでした。

HONDAは3バルブでスポーツ捨て切れてないエンジンだし
SUZUKIはなんか縦に長い鉄馬っていうかインパラみたいなイントゥルーダーだし
KAWASAKIは妙にクソ重い上にオイル漏れだし

多分各社ともまじめにアメリカンを作っていたんでしょうが、
市場から求められていたハーレーコピーに一番近づけたのかドラスタだったのでしょう。

ドラッグスターもまたSteedに比肩する中型アメリカンの立役者であることには間違いありません。




さて、あんまり小綺麗に褒めて終わるとなんかスッキリしないので余談を。



ドラッグスターファミリーは最初に登場した400ccの他に
1100cc 250ccで展開されています。
海外では650ccなんてのもあるんですがまぁそれはさておき--


1100ccは言わずもがな、
250ccに関しても重厚感は劣るものほどほどの迫力を持ち合わせた車体です。
これも400と同様にVirago250なる先代様がおられました。

空冷の超絶ロングストロークなエンジンですが所詮は250なのでトルクも馬力も知れたもの。
アメリカンに搭載するからこれも許容されるわけですが、
YAMAHAさんなんとこのエンジンをロードスポーツに搭載したバイクを出していました。














Yamaha SRV250S 93
SRV250S('92)


あッ、なんかかっこ悪い……


なんとなくオサレなYAMAHAには珍しいなんとなくかっこ悪いバイク。
言ったら悪いけどこれはハズしてます。

なんで英国車風のボディにVツインを積んだのか。
そりゃ確かにかつてヴィンセントのブラックシャドウなる英国車はありました。
ありましたがこれは違うよ

SRXのようなニュースタイルネイキッドならまだしも、
なんで英国車ボディを選択したのか全く分かりません。
同じSRの名を冠しながら単気筒よりなぜこれほどかっこ悪くなったのか……

追い打ちを掛けるわけではありませんが詳細にかっこ悪いとこ見てみると--
・半端に段が付き半端な角度でカットされたシート
・テールカウルには見えない木っ端面積にもかかわらずメッキじゃないリアフェンダー
・ノートンのフェザーベッドフレーム意識したかは知らんけど情けなく歪曲したフレーム
・かっこ悪い通り越してなんかキモいタンク

いや、嫌いじゃないですよ?
嫌いじゃないですけど買わないですよね。

まぁ250 400 600と展開されたSRXに比べてこちらは250だけに留まったところから
YAMAHAもうっすらこれはねーんじゃねーかなーと思ったんじゃないですか。


しかしナリはともかくとして
Vツインのカフェレーサーなんてのは滅多に見られないわけで、
パワーの足りない250ではなくいっそ400でSRVだしてくれたら面白いなーなんて思います。


あ、デザインは変える方向で。





ドラッグスターからかなり逸れましたが、
大型どころか中型に到るまでパワー主義で無くなった現在の市場。
今こそ合致するのではないかと思われるバイクが
80年代末~90年代初頭あたりにはゴロゴロしてる気がします。

そう言ったバイクのコンセプトはそのままに現在の技術で作り直すと
結構面白いモノが出来上がってくるのではないかと思いますが--

国内の市場はどこも苦戦してるところですから我が儘言えませんね。
あぁツライ時代です。



YAMAHAさんSRV400プリーズ

2012/06/12 22:29 | 無縁レベル 1COMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

どうもです、SRVがめちゃめちゃこき下ろされてますな、私このバイク3回購入してますw
初見は東京モーターショウでしたね、同時に発表されていたのがGooseでした、どっち買うか凄く迷っていました。

SRVは当時ヤマハが渾身の力を込めて開発した250で、中でも筆頭がハンドリングの良さでした、私が数十台乗り継いだバイクの中でも、最も優れたバイクでした。当時ライダーズクラブと言う雑誌で、根本氏が絶賛されていましたね。
次に異常なほどこだわったのがエキゾーストノートで、確か楽器のヤマハに協力を仰いだ筈です。
そしてフレームの溶接の際に出てしまう飛び散り(スパッタ)を全部削り落としてます、250でそんな手間を掛けるなんてキチガイザタですw
そして塗装はミラクリエイト、フロントフェンダーは鉄だったし、メッキも2重メッキで、ゼファー辺りとは深みが全く違いました。

まぁそれなりに手を抜いた所もありまして、テールランプはDT50と共通だったりしますが...。
ヤマハは2000年になってもカタログに載っているはず!と豪語してましたが、現実には...(T_T)
因みにハンドリングにこだわり過ぎたと反省したのか、廉価番のルネッサではキャスターの角度が変わっていて、より安定指向に振ってあります、リムも鉄になってしまったし。

更に何度かSRVのデザイナーさんとお会いしてるのですが、デザインモチーフはYB-1(古い奴)だそうです、保安部品に関しては「市販車だからねー」との事で、実際にはもっと小型の形状を想定していたそうです。

と言う訳で、気合いの入れ方はYZF-R1と比較しても遜色無いバイクだったのですが、「分かる大人の為の250」なんて市場は存在していなかったと言うオチでした(^-^)/

個人的に所有バイクの中でSRVに匹敵する面白バイクはジレラのサトゥルノと、初期型RZ250でした、そして今の愛車はGR650とVTZ250ですw

No:2063 2014/03/24 22:54 | 盆栽 #- URL [ 編集 ]

返信

>盆栽さん
コメントありがとうございます!
乗ったことがないバイクの小ネタだとデザイン評価ばかりなので、
オーナーさんからのネタ細かい情報がありがたいです。

さておき、ハンドリングマシンとは意外でした。
それ以上にスパッタ掃除がしっかり行われているとは恐ろしい……400カタナはスパッタまみれですw
タンク塗装は仰るとおりで、質感が高いと感じましたがフェンダーまで鉄だったんですね……。

手元の当時資料にやたら長文が掲載されていました。
読み進めるとなるほど--なんでSR500より高いの!?と思いましたが、
随分気合いが入ってたのですね。
それだけに私としては、タンク形状の鈍重さが惜しくてたまりません。
YB-1モチーフだったのか…………
サトゥルノなんて現物に出会ったことがありませんww
加えてGRとはまた強烈な車種をお持ちで……vtzは近いうちに記事になるかも知れません。

No:2068 2014/03/26 12:55 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

どうもです(^_^)
VTZの記事は楽しみですね、欠陥レギュレターの話には是非触れて下さいw
SRVのタンク形状は、東京モーターショー仕様のセパハンシングルシート仕様なら気にならないかも知れません、シートのデザインとカラーリングがとても良く出来ているので(カラーはブラウンでシートのラインに沿った小振りのキャリア付き)、相対的にタンクの存在感が弱くなっています、カラーも黄色いタンクと前後フェンダーにシルバーのサイドカバー、黒フレームにメーターバイザー、止めはオーリンズのリアサス(^_^;) 自分は2台目をタイプSをベースに、カラーだけ再現して乗ってました。

他にもこちらで紹介されてるバイクには幾つか所有していた物がありまして、EX-4とかそれこそこの記事のドラッグスターとか、初代VT250F、R1-ZにSRX400(600に積み替え)とかですかね、刀の250やKLE250アネーロ、珍しいところではXS250(DOHCエンジン)なんかにも乗ってました。

サトゥルノは面白かったです、グースとデザイナーが同じ人なので、両者は兄弟車になります、サトゥルノはFR車、グースはミッドシップをイメージしているそうです、実際グースも乗った事があるのですが、サトゥルノとは違う乗り味でしたね、ポジションはサトゥルノの方が完全に吹っ切れていて、逆に自然な感じがしましたw 自分が所有していたのは350でしたが、500の方が乗り易かったですね。
個人的には赤のノーマルサトゥルノが古今東西で最もカッコいいバイクだと思い込んでいますw 意味の分からないバイクとしてはやっぱりGR650が最高ですが。

管理人さんには是非触れて欲しいバイクバイクとして、アクロスを紹介して欲しいです、個人的にスズキの投げ出し技術(1代限りで熟成させなかった装備とか機構の事です、DRの車高調整とか)が顕著なバイクで、しかもその技術を他社にパクられまくっているところに悲哀を感じてます、個人的には欲しいバイクの筆頭ですね(^_^;)

No:2074 2014/03/27 05:23 | 盆栽 #- URL [ 編集 ]

返信

>盆栽さん
手元の資料に東京モーターショー当時のSRV画像ありました……こりゃいい。
セパハン+シングルシートになるとかなり良い感じですね。
タンクのボテッと落ち込んだ流れをテールまでしっかり流してる、という感じでしょうか。
これで出なかったのは惜しいですねぇww
なんか随分面白い車歴の気が。
サトゥルノにも350があったとは。500しか知りませんでした。
アクロスは--実はリクエストリストにあり、その上記事を何度か書こうと試みています。
--が、正直上手く仕上がりません。仰るように他社に--ってとこで……。
150行くまでには書きたいですw

No:2089 2014/03/27 22:31 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

やっぱりアクロス上がってましたか、昔はスポーツバイク一辺倒で、今みたいにスーパースポーツにパニアケース付けちゃうなんて考えられない時代でしたから、アクロスのコンセプトが理解される素地なんてほとんど無かったように思います。
自分の最初の中型はGPX250R-Ⅰ(Ninjaのステッカーが付かない方w)だったので、アクロスに抵抗感は無かったのですが、何せタンク容量が12Lと少なかったので、その点がライバル?のZZ-R250と比べてツーリングバイクとしては大きなウィークポイントだったのかな?なんて思います、今にして思えばアクロスはツーリングバイクと誤解されていたのかもしれませんね、後年のBMWのF650CSみたいなコンセプトだったのかも。

因みに自分の車歴ですが、同時所有とかもあったりするので、取り敢えず思い出す限り上げてみますね。
JOG、GPX250R、GSX250S刀、SRV250、GPX400R、R1-Z、DT-50、TW200、DT200WR、SRX400、ZZ-R250、RZ250、サトゥルノ350、M400、SB250、VT250F、XS250(DOHC)、KLE250アネーロ、EX-4、アドレスV125G、ドラッグスター400、VTZ250、GR650だったかな? そのうちSRVは3回、R1-Zは2回乗ってます、現在はGR650とVTZ250の2台持ちですね、我ながらキチガイザタの車歴ですw

今はもう取り敢えずメインバイクは高速乗れればOKと言う境地に達してしまったのでw、デューク200とか、XT250Xとか、PCX150辺りで全然満足出来そうです、ただ開けてない2ストオイルがあるので、手頃な2ストバイクも欲しいですw

No:2100 2014/03/30 12:13 | 盆栽 #- URL [ 編集 ]

返信

>盆栽さん
あぁ、なるほど。SSのパニアみたいなモンなんですね……確かに。
難しいモンです。
車歴、RZ250以降が明らかにすごい方向に向かってますねww
アネーロやらEXやらきた後でドラスタというのがすごく意外です。
Duke200はちょっとだけ乗りましたがなかなか楽しいです。
若造にしてみれば「手頃な2st」という言葉にすさまじい違和感を覚えますw

No:2106 2014/04/03 00:24 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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