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その51 R1100RT

ザ・クルーザー



R1100RT



無縁レベル:2




バイクにおけるジャンルは言ったモン勝ち的な部分が多く、
ジャンル分けするのが大変なネタです。


そんな中では比較的わかりやすいジャンルとしてクルーザーというのがあります。
長距離ライディングを主目的としたかなり大柄な大排気量車です。

私見ですが、クルーザーには大きく分けると3タイプあると考えています。

まず思いつくのはアメリカンクルーザー
ホースバックライドスタイルの楽ちんな乗車姿勢。
アメリカの広大な土地を低速トルクに任せて流すロー&ロングの大排気量Vツイン。
今日アメリカンと呼ばれるタイプのクルーザーです。

次にヨーロピアンクルーザー
バーハンドルやアップハンドルで適度にスポーティな乗車姿勢。
ヨーロッパ各都市を繋ぐ道路群を高速巡航で長距離走れるスタビリティを持つ、
言い換えればツアラーと呼ばれるタイプのクルーザーです。

最後にジャパニーズクルーザー
ヨーロピアン系のように大仰かつスポーティ気味にデザインされたフロント、
それに対してシートからテールまで低く下がり、乗り心地と積載性に特化。
ゴールドウィングに代表される、装備はとにかくゴージャスな成金趣味クルーザーです。


これらのうち特にスポーツ性が高いのがヨーロピアン系。
基本的にはロードスポーツ系の車体ですがアップハンドルに換装、
さらに樹脂製の頑丈なパニアケースを車体にガッチリと固定し積載性を確保。
旅バイクとして機能しながらもスポーツ性を失わないように作られていました。

中でも名門BMWは第二次世界大戦からの伝統の空冷水平対向エンジンを熟成し続け、
稀代のカウルフェチ工業デザイナー ハンス・ムート氏による
風防としてのフルカウルを装備したR100RSを生み出し、
ヨーロピアンクルーザーの殿堂としてその地位を確固たるものにしてきました。

R100RSも名車なので後日紹介するとして、
今回紹介するバイクはR100RSの正統進化形であり、
R100系クルーザーから一新して近代型になった記念すべきモデルです。





r1100rt.jpg
R1100RT('95)


R100RSから続いていたフルフェアリングボディを
ライダー側から見たときの隙間をうめてフルカバードボディに。
BMW伝統の空冷水平対向2気筒エンジンはかつてのOHV系から一新、
R259と呼ばれる空油冷OHCエンジンに。
振動もなく吹け上がりストイックなまでにフラットなパワーを生み出します。
そんな動力に対して制動を司るのはブレンボキャリパー+ABSシステム
280kgを超える車体を悠々と止め、しかもブレーキのコントロール性も抜群です。
ノーズダイブを強かに抑えるBMW特有のフロントサステレレバーサスペンションシステム
ブレーキと併せていい仕事をしています。
2ケツの全力制動でも全く不安にならず止まることができます。

車体にガッチリと固定されるパニアケースはフルフェイスを容易に収納する容量。
かなり高い位置に設置されたアップハンドルに高さを3段階で変えられる厚めのシート
標準で装備される電動スクリーンスピーカー
左ハンドルの下にはオーディオを収めるためのスペースを設置。

まさに至れり尽くせりのクルーザー。
ゴールドウィングに負けじと装備を調えつつもスポーティーさを失わぬ見事な設計。
スペックを見てみると--

空油冷4st水平対向2気筒ハイカム4バルブ1085cc
最大出力90馬力/7250rpm
最大トルク9.7kgm/5500rpm
装備重量282kg
タンク容量26L


てな感じでパッとするものでもないのですが、
このエンジンが恐ろしい部分は最大出力ではなく
3000rpmで最大の85%に達するトルクを発揮する性能曲線のほうです。

基本的にはエンジンを回さずに走ることができ、
いざ回すとどこからでもパワフルに加速していける。
非常に完成度の高いエンジンだと言えます。




で、RTも割とあちこち走る程度に乗っていたことがあるので、
カタナ基準(ry によるレビュー。


まず乗ってて非常に楽です。

振動無いわ
この図体が割としっかり加速するわ
ブレーキ止まるわABSついてるわ


面白いことにこのバイク、この図体で結構曲がるんですよね。
考えてみたらCBR750なんかより遙かに曲がりやすいので
腑に落ちなくて調べてみたんですが、
ホイールベースが1485mmしか無いんです。
このボディサイズでホイールベースが1500mmを切るとは驚きです。
リッターオーバーのバイクともなると、
ネイキッドでも1500mmをオーバーするバイクは少なくありません。
ホイールベースの長くなりがちなクルーザー・ツアラーで
1500mmを切っているのはRTだけではないかと思います。

ハンドリングは恐ろしく軽やかですが
2ケツしたときの方が曲がりやすいことから考えると
私の技量が車重に負けてる感が否めません。

テレレバー・パラレバーの前後サスペンションは流石と言わざるを得ません。
特にテレレバーはブレーキ時のノーズダイブがほとんどなく
想定外の急ブレーキでも全く問題なく落ち着いて止まります。


フェアリングも考え抜かれており、
低速だろうが高速だろうが風が身体に当たることがほとんどありません
電動スクリーンを最低高にしておけば顔だけは風を感じることが出来ます。
煩わしければスクリーンを上げれば良し。
スクリーンのスイッチは左ハンドルのスイッチボックスに収められており、
グリップから多少離れてはいるものの頻繁に操作するものではないので不便は感じません。


パニアケースはその収納力もさることながら、
立ちゴケ時の接地部分となる非常に重要なパーツです。
パニアさえ着けておけばシリンダヘッドとパニアケースが接地することで
ライダーが足を挟まれる事はありません。
また完全に横倒しにならないため車体を持ち上げるのも多少楽になります。


さて、乗って走れば楽なんですが、
宿命というか取り回しは地獄です。

280kg超という車重もクルーザーとしては珍しくない数値ですが、
コイツの問題はアメリカン等と比べて比較的重心が高いことです。
重心が低ければ低いで気がつくと倒れ始めて支えられないんですが、
重心が高いと取り回し中常にフラフラしてる感じが心臓に悪いです。
特に傾斜のついた駐車場での取り回しなど戦々恐々です。
そんなワケで駐輪場は気を遣って選ばなければなりません。


次にクラッチがちょい特殊

一般的にバイクに多い湿式多板クラッチはクラッチの繋がりが滑らかで
半クラッチを使いやすいクラッチです。

エンジンのパワーロスを嫌うレース車等では乾式多板クラッチが用いられます。
湿式でオイル漬けだったクラッチプレートが露出しており、
オイルによる抵抗を受けない分摩耗に弱いので半クラッチを多用すべきではありません。

で、RTはどっちかというと実はどちらでもない乾式単板クラッチ
自動車と一緒です。
RT特有の問題ではなく、エンジン形式上の制約から採用されてると言われており、
乾式多板と同様に半クラッチですぐ摩耗していきます

しかしある意味では心配無用、
単板は多板と違って半クラッチがシビアなのです(泣)

自動車みたいにガツンと一気にクラッチがつながるので、
バイクの多板クラッチに慣れてると最初は戸惑います。
まぁそもそも排気量があるので発進半クラなんて長時間使いませんし、
半クラ多用して走るようなバイクでもありませんし……。

そんなわけで乗り始め1発目はエンストする可能性です。
慣れてくるとスパッと切れてスパッとつながるので小気味よいです。


これもRT特有というわけではないですが、
ウィンカー操作系が普通と違うのも慣れない内は戸惑います。

ウィンカースイッチはハンドル左右それぞれのスイッチボックス底面部についています。
通常のように左手で一括して左右ウィンカーとキャンセルできるものではなく、

左ウィンカー:左スイッチを押す
右ウィンカー:右スイッチを押す
キャンセル:右スイッチその2を持ち上げる



初めて見たとき絶句しました。

持ち上げるってのが文面だけだと想像しづらいんですが、
スロットルを握る右手の親指を立てて、
手首を捻る感じで親指側面で押し上げるんです。

また左ウィンカースイッチは
クラッチを握った状態だと十中八九親指が届きません。
なんでこんな操作系になってしまったのか……と思いきや、
最近のBMWは通常と同じウィンカー操作系になっている模様。

最初からそうしてくれ。




長ったらしくなりましたが、
クルーザー・ツアラーとしてはこれで一旦完成を見ていると思えるほどに
R1100RTというバイクは完成度が高いです。

単に走ることを楽にするだけではなく、
走れるというバイクとしての面白さを捨てなかった
そんな考え抜かれたヨーロピアンクルーザー。

登場から10余年経つものの現行のクルーザーと並べてもなんら遜色ないと思わせる
R1100RTはそんなバイクです。

2012/08/27 20:00 | 無縁レベル 2COMMENT(5)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

たしかに

はじめまして!
楽しく拝見しております。

この記事だけコメントがなかったので、僭越ながら初コメです^^;

確かにBMWのクルーザーは動き出すと安定していますが、おっしゃるように取り回しは非常に気を遣います。
毎回センタースタンドをかけるときはドキドキです。
ローシートのくせに、幅があるもんですから、身長180cmのワタシでも足付きがよくありません。
ハイシートでも変わらない、むしろハイシートの方が座り心地も含めて良さげという意見が多いですね。

ウインカーのロジックにも大きくうなずきました。

あ、ワタシのバイクはK100RSです^^;

No:3034 2015/01/04 22:20 | たけや #Ttfsw1Qw URL [ 編集 ]

返信

>たけやさん
コメントありがとうございます。
ウィンカーはクラッチ切っている間の操作だけがどうにも……
慣れると左右別体ウィンカー悪くはないんですけどねw
足下がジャリだと本当に取り回し泣きますね。
センタースタンドがけも父を傍らに練習しました。
ハイシーとの方がよさげ、次帰ったら試してみなければww
K100のRSは少し軽くて羨ましいです。

No:3041 2015/01/10 21:25 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

一時期乗っておりました。車庫から出すときが地獄でした。何回こかしたか。走り出すとコーナーリングも良いのですが、街乗りより高速を走るバイクですね。たぶんアウトバーンを200km巡航するのが目的のバイクではなかろうかと思います。当時ハーレーも持っていましたので、だんだんと乗らなくなり手放しました。懐かしいです。

No:3241 2015/03/02 09:52 | 1483 #- URL [ 編集 ]

返信

>1483さん
車庫だしは戦々恐々ですね~倒すと泣けますし。
高速巡航の楽さは比類無きものです。
まだ乗っている父がここ数年ハーレーの883が欲しいなどと言っておりますw

No:3251 2015/03/07 19:45 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

はじめまして。
折々、拝見させていただいております。
さまざまなバイクを体験されているのですね、感心いたします。

わたしのバイク遍歴から申し上げますと、
ヤマハのXZ550DなんぞをXZ400とからめて
調査してアップいただけると嬉しいですね。
ヤマハが時代の趨勢を見究めきれなかった、
FJ1100と似たような運命をたどった迷車です。
そのころからBMWのKシリーズに羨望を抱き、
いつかは…と思っていて、40歳を過ぎて、
やっとBMWに辿り着いたのが、K100RS、
そして今も楽しんでいるR1100RTです。

おっしゃるように、スポーツ性能を向上させつつ、
グランドツーリングの快適性を確保したバイクで、
BMWがイデオロギーにしている「駆け抜ける喜び」
と「旅の支えとなるバイク」を高次元で融合させた、
本当に不思議なバイクです。

装備重量282㎏は、取り回しには嫌になるほどですが、一旦乗ってしまうと、その重さはどこへやら、まるで250㏄バイク並みの手軽さで操縦でき、コーナーでも大きな体重移動が不要なままクリンクリンと曲がってくれますから、並み居るスポーツバイクとツーリングに出かけても、立ち上がりで引き離されるだけで、十分についていけます。

センタースタンドをかけるのに気を遣う…
というご意見もありますが、
この巨体は、BMWの歴代車種のなかで、
もっとも力を入れずにヒョイと上がるモデルでして、
国産の200㎏以上のバイクと比べても、
遥かにセンタースタンドをかけやすいのです。
これは、センスタを上げるときに使う格納式取っ手が
いい仕事をしてくれるという機能上の利点もありますが、車体の重量バランスが絶妙なんです。

左右別体式の独立ウインカーは慣れが要りますが、
あれに慣れてしまうと、右左折時に楽な場合もあり、
左右同時に押せばサンキューハザードにも使えます。(まぁ、最近のバイクではハンドルオンでハザードスイッチがついている場合もありますから、そんなことは不要になりましたがww)

R1100RTも、1150、1200と進化し、
空油冷OHCエンジンからDOHCへと進化し、
最近では部分水冷DOHCになって、
高出力・高回転のまるでマルチっぽいフィーリングで
胸のすくような加速を得られるようになり、
車重もどんどん軽量化され、扱いやすくなりました。
しかし、ボクサーエンジン独特の力強いトルク感や、
回転を上げなくても3500回転で十分な馬力、
それでいて適度な鼓動が旅を飽きさせない…
そんな「乗り味」がほとんど消えてしまいました。

そんなこんなで、どういうわけか、
最近では、最新のRTではなく、1100RTや1150RTに
また人気が戻ってきて、中古はよくさばけてしまうそうです。そんな変な現象もあるようですが、あの丸みを帯びたスタイルが、最近主流のガンダムっぽいパネルカウルに飽きたオッサンたちを魅了しているのも、もうひとつの事実だそうです。好みは人それぞれですが、オッサンたちは、だんだん保守化するんですかね。

わたしも60歳に手が届くオッサンのひとりですが、
周囲が次々に最新のBMWバイクに乗り換えていくなか、どうにもこの1100RTの魅力から抜けられず、
最新バイクにもさんざん乗り回してはいるのですが、
貴殿がおっしゃるように、「クルーザー・ツアラーとしてはこれで一旦完成を見ていると思えるほどに
R1100RTというバイクは完成度が高いです。」
そのままのバイクであろうと確信します。
10年以上乗り続けても、未だにこいつの奥深さは
見究めきれません。永遠の高貴な熟女のようです。

ながながと済みませんでした。

No:3956 2015/11/16 21:11 | nao #- URL [ 編集 ]

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