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その53 RG125γ

本気で固めたピンクナンバーのレプリカ



RG125γ(NF13A)



無縁レベル:3




125クラスというと欧米では日本で言う原チャリに当たるクラスであり、
東南アジアなどの新興国では主要排気量クラスにも該当するところが多いことから、
海外の市場を見てみると割と活発なクラスです。

ところが一転、日本市場を見てみるとどうにも不遇なクラスであることが否めません。
普通免許で乗れるのは50cc未満
125クラスに乗るには小型自動二輪免許以上の専用免許が必要で、
一応原付扱いされているため保険が安い等のメリットはあるものの
高速道路や有料道路を走れないこともあり、比較的ニッチなクラスです。

近年は通勤快速アドレスによりその存在意義が評価されていますが、
それでも現行のラインナップを見てみれば
ここに力を入れるべくもないというメーカーの意図が伝わりそうなそれ。
真面目に作られた便利バイクはあっても変な本気で作られたバイクは見あたりませんし、
過去にもそれは同様であったと言って良いでしょう。



いやまぁあるにはあるんですけどね。
その変な本気で作られた原付二種が。





Suzuki RG 125 Gamma 91 1
suzuki rg125gamma[1]

RG125γ('91)

水冷2stクランクケースリードバルブ単気筒124cc
最高出力22馬力/10000rpm(輸出仕様33馬力/11250rpm)
最大トルク1.7kgm/9000rpm(輸出仕様1.9kgm/11000rpm)
乾燥重量123kg



兄貴分であるRGV250γ(VJ22A)と同じスラントノーズのカウルスタイリング。
スチール製のツインチューブダブルクレードルフレーム
TSR125からセッティング変更された水冷2stエンジンを搭載。
フロントサスペンションはΦ39の倒立フロントフォーク
異径対向4ポットキャリパー+Φ300の大径フローティングディスクブレーキ。
リアもリンク式モノサスに湾曲スウィングアーム
レプリカはキックスターターオンリーも珍しくありませんが、
この125ガンマは逆にセルオンリーという今風の装備。
冬場の始動も楽ちんです。

たかだか125ccに対して異様なまでに充実した装備品の数々。
タイヤこそF100/80-17 R120/80-17と細めですが
250のガンマもリア150の時代に
125のトラクションでこれ以上太いタイヤが必要とは思えません。
ならば倒立フォークも不要ではないかと思われますが、
タイヤのグリップに対してサスのしなやかさは排気量問わずあっても困らないもの
倒立フォークのメリットであるバネ下重量の軽量化はサスの動きに直結しますし、
同時に軽量な細めのタイヤとも相乗効果で相性がよいといえます。
奢られた装備は走りの根本を支える部分ばかり。
ノーマルでもパンチのあるエンジンと車体で楽しむことができ、
さらにエンジンをチューニングしても車体がそれに応えることができる。
まさにレプリカブームらしい、小排気量ながら走らせて楽しいバイクだと言えます。

同時に車体サイズも250ガンマとほとんど変わらないサイズ。
くだらないですが他の125と並べても大柄なため所有欲を満たしてくれ、
その割りには乾燥123kgと比較的軽量なので
車体の扱いやすさはあくまで125レベルに収まっていたり色々ありがたいです。




YAMAHAのTZR125は走りの評価は高いもののあくまでネイキッドスタイル
フルカウルもあったものの500台限定のレア物。

HONDAのNS125RはフルカウルだったもののTZRフルカウルと同様に500台限定
しかも生産はイタリアHONDA。端から海外向けのものを少数日本向けにしただけです。

NSR125Fというのも国内で正式販売されましたがこちらも1000台限定
その上ネイキッドスタイルで、フルカウルのNSR125Rは国内の正式ルートは無かった模様。


他社はこんな様相であくまで海外向けの流用だったり
カウルレスで済ませていた2st125ccスポーツ。
SUZUKIだけは限定でもなく当たり前に、
250に見劣りしないフルカウルスポーツを用意していたのです。
しかもカウルレスの方はウルフも用意してあったのですから素晴らしい。
ユーザーに多数の選択肢を与える、ありがたいことです。




まぁそんな素晴らしいバイクですが、弱点がないわけではありません。
これは125ガンマに限った話ではないのですが、
SUZUKIの2stは排気デバイスが面倒なのです。

詳しい話は省きますが、要はメンテをサボって放っておくと
シリンダーとかピストンにダメージを与えかねない自爆装置なんです。
2stのメンテスパンが短いのは当たり前ですが、
その2stの中でさらにスパンが短く面倒なのがSUZUKIのレプリカ中後期2st。
まぁ短いメンテスパンのおかげでかえって常にいい状態で乗れると考えれば……。





さて、125ガンマは私にとって最初の自分のバイクでした。
今考えても最初に難儀なバイク選んだもんだなぁなんて思います。


とりあえず小排気量2stのテンプレとして低速トルク無すぎです。
4~5000rpmでトルクの谷が出やすく、6000rpm頃からようやくパワーが出始めるエンジン。
8000rpmを超えるとパワーバントで気持ちよく加速していきますが、
街乗りでは余剰な加速力のため扱いに困ります。
街乗りでの基本的な走り方は6000rpmまで吹かす~というパターンでした。

車体の方はハッキリ言って上等すぎです。
恐らく125ccが吐き出せるパワー程度では破綻しない高いレベル。
いい意味で125らしい車体はヒラヒラ倒れるので峠下りのパフォーマンスが高いです。
登りはパワーバントさえ外さなければまぁなんとか……という感じ。
しかし回転数管理をして走るという基本的なことが身につくわけですから
練習用としてもいいバイクです。


で、125クラスとして考えると間違っている部分。

一番気持ちよく走れるのが80~120km/hだと思われること。

高速道路走れないくせに。


60km/h巡航で6速入れるとギアが高すぎて徐々に減速していくんです。
巡航できないんです……。
6速で巡航しようと思ったら多分80km/h以上必要。
高速に乗れないのにこのセッティングはなにか間違っているとしか言いようが……
ってあの時代のは公道用として考えると全部間違ってるんですが。

しかし125クラスが140km/h以上出せるなんて恐ろしい話です。



125ガンマは私に2stの楽しさ、軽量で走るバイクの楽しさ、ワインディングの楽しさなど
本当に今となっては貴重な色々なことを教えてくれたバイクでした。
今でも叶うならば、250より125のガンマを再び乗りたいと考えています。
例え600クラスのSSがどれだけ軽量になろうと、
この領域の車重になることはないだろうと考えられます。
600SSの軽量ハイパワーも確かに楽しいのでしょうが、
等身大で気張らず付き合えるエンジン+超軽量な車体というのは
これもまたバイクとしての走る楽しさを最大限に引き出してくれるものだと思います。

この先2stが復活するようなことはないかと思われますし、
どんどんいい状態の車両が無くなっていっている状況ではありますが、
再び2stのレプリカに跨がれることを夢見て。

2012/09/06 12:00 | 無縁レベル 3COMMENT(22)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

No title

125Γとはシブいですね。
もちろん、カウルを外してウルフ化ですねw
市場から無くなる前に、今のうちに確保ですよ!

No:950 2012/09/07 23:29 | Imp #/.OuxNPQ URL [ 編集 ]

No title

はじめまして
GPZ250Rの情報を探していてこちらにたどり着きました。
素晴らしい記事の数々に、ニヤニヤして拝見しております。
私自身はウルフ125に乗っているのですが、特性や欠点はガンマと同じですね。(^^
快適に乗るなら、排気デバイスにオタフクタンク加工が必要ですが、海外仕様目指すならイチ削りでパワーUPもできるので楽しいですよね。><b

No:1006 2012/10/24 23:44 | pon #atlAqlL. URL [ 編集 ]

Re: No title

>Impさん
最初はウルフの125にする予定だったんですが、
問い合わせるとウルフが売れて店頭に出す前のγを同じ価格でどうかと言われ--
夏場はサイドカウル無しで走ってました
海外オクでフルパワー版を…………w

>ponさん
コメントありがとうございます。
また一人珍車をキッカケにここに迷い込んだか……
モモンガだったり暖気だったり出力特性だったり色々問題がありますねぇ
私の乗っていたときガンマはオタフク抜き処理がされていたのは幸いでした
当時はまだキャブセッティングに対する知識が無くイチ削りするまでは行きませんでしたが--
ホントいじり甲斐がありますよね

No:1012 2012/10/26 09:55 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

懐かし~!自分も乗ってましたよRG125γ
所で二枚目の写真はネットで拾ったものですか?
グリップの色、白いシートカウル、フロントカウルのステッカーまで自分が乗っていたものと一緒です。
もし自分が前に乗っていた車両なら…大切にしてくれている人がいる事がとても嬉しいですね。

No:1043 2012/12/08 17:34 | 774rr #cTT11Law URL [ 編集 ]

No title

>774rrさん
コメントありがとうございます。
えーと……なんともネットの恐ろしいところというか。
2枚目の写真は私が購入したガンマの画像ですw
写真当時は友人に譲った後で、その友人とツーリングに行ったときのものですが。
フロントカウルサイドにイエローの狼のステッカーがあるならば間違いないですww
余談ですがこの車両はその後も友人つてで渡り歩き、一度焼き付いたもののシリンダー交換されてまた走り出す予定だそうです。

No:1044 2012/12/09 12:26 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

No title

本当に楽しいブログをありがとうございます。
どの単車も懐かしくて、楽しくて仕方ありません。

今も125Γに乗っています。
回転数を落とすと後ろから車につつかれ、かといって回すと前の車にぶつかりそうになり、煽っているつもりも無いのにノーマルですらやかましい音のせいで、前の車が道を開け、2週間乗らずにエンジンをかけるとあたり一面白煙で霧に包まれたようになるため、近所迷惑にならないように押して少し人気のない所に移動してからエンジンをかけるという、、ある意味どうしようもないバイクです。
でも、趣味の乗り物としての、バイクの楽しさが詰まった単車だと思っています。

No:1056 2012/12/30 21:40 | oshin #- URL [ 編集 ]

Re: No title

>oshinさん
コメントありがとうございます。
記事見て懐かしんでいただければ書き甲斐があるというものです。

確かに低速でチャリ以下の加速、
6000rpm超えると流れを無視した加速でしたねぇ……
道具としてはとてつもなく使えないんでしょうが、
だからこそやはり趣味として成立するんですよね。
oshinさんのおっしゃる「バイクの楽しさ」に共感を覚えます。

No:1057 2012/12/31 01:25 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

ガンマ125

自分も、乗っていましたし、輸出仕様のテストもしました。
恐ろしく早かったのを覚えています。車体が同じで、排気量の違うガンマ200も、ラインナップにあります。40前の友人が、購入し、乗っています。

No:1105 2013/02/05 00:50 | ライダー1 #- URL [ 編集 ]

No title

>ライダー1さん
まさかテスト経験者--開発側の方からコメントいただけるとは思いませんでした。
500ガンマの方に頂いたコメントの文面から情熱を感じ、感動しております。
200ガンマはタマ数が少なすぎて探すのが大変です……未だに乗りたいバイクなのですが。

No:1113 2013/02/10 22:30 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

はじめまして

実は125の兄貴分、200に乗ってました。
パワーローダー的な性格で、
8500で頭打ちになるエンジンでしたが、
楽しいバイクでした。

No:2243 2014/05/07 22:01 | 天プラ #JalddpaA URL [ 編集 ]

ネットで125ガンマを探していた通りすがりの者です
その昔プロダクション125クラスで500台限定TZRフルカール(4Kg重いが最高速は10Km/h近くも違う)が上位を独占していたのを気に入らなかった?スズキが本気出したのがコレですね。オーナーだった私は購入後たった一年で全然歯がたたない物を出されて、、大人げないぞ、スズキ!とか思ったもんです。
始動がセルオンリーなのは、改造範囲が狭いプロダクションマシンで軽量化をするためのようです。

No:2528 2014/07/29 21:33 | farco #- URL [ 編集 ]

返信

>天プラさん
だいぶ遅れの返信となり申し訳ありません。
200、降りた直後探していました……。
8500rpmの頭打ちとはさすがにハスラーエンジンですなぁ。
125もですけど。

>farcoさん
コメントありがとうございます。
あぁー……それでSUZUKIが妙に本気で作ってるわけですね……。
大人げねぇなぁwwwフフフ

No:2546 2014/08/04 20:51 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

ウルフに乗っています。

ここに書いていいのか迷いますが、
2年前からウルフ125(NF13A)に乗っています。
普段はDトラ125ですが、バイクの面白さはDトラの比ではありま
せん。 確かに経済車ではないし、前傾姿勢で50代のおやじには
きついものがありますが、燃費を犠牲にしてもこの面白さは他のものでは味わえません。 これだったら高速を走ってもいいのではと考えてしまいます。
 
 今はリアタイヤを150にしているので後ろから見ると250に
間違えられていい気分です。
 ここの主人公のγ125にも乗ってみたいと思います。

No:2739 2014/10/07 01:32 | riyao #Cc.xYpn6 URL [ 編集 ]

返信

>riyaoさん
コメントありがとうございます!
実は私がガンマに乗り始めた経緯はウルフ125を探していて
ネットで見つけた車体問い合わせたら売れた直後で、代わりにガンマが登場と。
最初はウルフが目的でしたw
125クラスは2stでないとどうにもかったるく感じてしまいますね。やはり2stが面白いです。
高速を--そうなんですよね!
だいたい70km/h~で元気が良くなってくるあたり125であるのがもったいないバイクです。
----リア150入るんですか……驚き……。

No:2742 2014/10/07 20:46 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

リア太くされてる方は定番のグースホイールに換装されてる方多いですね。
グースのリアブレーキキャリパーの取り付けにカラー噛ませたりしないとパッドのセンター出せないとか面倒ではありますが(^^

話は変わりまして昨日街中で、走っているGPZ250Rの実車はじめて見ました。
サブレでした。

No:2748 2014/10/10 13:23 | pon #.I57DTE6 URL [ 編集 ]

はじめまして。以前からブログを楽しく拝見させてもらっています。
私も最近125Γを買いました。初めて買ったバイクです。

No:2751 2014/10/13 19:12 | taku #- URL [ 編集 ]

返信

>ponさん
あぁーGooseホイールなんですねーってだいぶ面倒!!
GPZ?はっはっはッ
紛う事なきサブレですとも、はい。

>takuさん
コメントありがとうございます!
そしてご購入おめでとうございます!
初購入が125ガンマとは仲間ですねww
なんだかんだ言って125らしからぬ懐の深さなので
是非とも楽しんで、かつ安全に長く付き合ってくださいませ。

No:2757 2014/10/16 22:15 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

カワサキから

おそらく、最後のフルカウル2stスポーツなんじゃないかとおもわしき車両が出たみたいです。

ニンジャのペットネームだったような・・・

No:4009 2015/12/17 17:21 | 玄米 #- URL [ 編集 ]

RG125Γを入手しました!

ピストンをアプリリア125の物を使用したばかりの慣らし中です、17万でヤフオクで落札しました、あまりに低速がスカなので検索してここにたどり着きました、なるほど、クラッチ板がすり減っていたのではなく、6000回転以上が本性を現すマシンなのですね!、サーキット走行が楽しみです!

No:4830 2017/07/17 11:23 | 柊 源師 #- URL [ 編集 ]

ガンマはガンマとして乗ってこそ。
ナンパなウルフ化ですよね!とか舐めてんなぁ....

No:4861 2017/08/18 23:35 | KAZ #3hri4u1c URL [ 編集 ]

たこ焼きにソースかけるかしょうゆかけるかぐらいの違いしかねぇ

No:5031 2018/05/16 01:14 | ↑ #- URL [ 編集 ]

ウルフ125乗ってました。(ここ多いな…)
普通免許のオマケで初めて買ったのが50γ、次いでウルフ50…以降、メーカー問わずマイナー車ばかり乗り継ぐ傍ら250γの最終5型WWや400γ、そしてウルフ125と常にスズキ2stが手元にありました。

このNF13A、始動性が悪く特に冬のエンジン始動はセル長回しでバッテリーが上がり大変でした。走り出せばとんでもなく速い!そして純正チャンバーはストレート構造でヘタな社外品よりうるさい!通勤がとても楽しくなるマシンでした。またいつか…

No:5170 2019/10/30 22:07 | 走り屋ではないバイク好き #- URL [ 編集 ]

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