その64 KR250

レプリカブームに売れなかったレプリカ



KR250



無縁レベル:3




さてさて、多少余力のある内に記事を書き殴っていきましょう。


年々厳しくなる排ガス規制&騒音規制。
排ガス規制はともかくとして騒音規制なんてのは
警察が不当音量車両をキッチリ取り締まればいいだけのような気がしますが、
お巡りさんが慌ただしく働くのはブラウン管の中だけと相場は決まっています。

のっけから毒吹いてますが排ガス規制に殺されてしまったエンジンのお話。
2ストロークエンジンなんてのがありました。
20台も後半ならば2stの話が多少通じるんですが、
それより若いバイク乗りにはもはやその過激なフィーリングは通じません。
しかし恐らくおっさんライダーにはニヤリとせざるを得ない青春のマシン達

速いからかっこいいのではない。
それ以前に過激だからこそ乗りこなせてかっこいい
わずか100kg半ばの車体にカラダを預け峠を駆け回る戦闘機。
メーカーも
ライダーも
マシンもバカタレだらけの熱い時代。




--こんな文章書いてる自身は20代半ば、ンな偉そうに書いていいのか悩みますが、
ともかく先しばらく今は亡き2st車勢を紹介していこうと思います。


ってなわけで2stシリーズ、先鋒に来ますはKAWASAKI製の異色2stマシン






Kawasaki KR250 84 3
KR250('84)


KAWASAKI発の2stレプリカマシン。

全体像の画像があるので見てみましょう。


Kawasaki KR250 84 1


GPZ900R NINJAを彷彿とさせるシルエット。
頭でっかちに見えなくもない細い車体。
飾り立てることもなくポンとつけられた丸いテールランプ。
右側に据え付けられたキャブを見せんとするセクシーに削られたサイドカウル。
右側2本出しながらまったく高さの違う位置にマウントされたサイレンサー。


こう……非常にKAWASAKI臭いですね。


さてさて、それではスペックをば。



水冷2stロータリーディスクバルブ直列2気筒249cc
最高出力 45馬力/10000rpm
最大トルク 3.7kgm/8000rpm
乾燥重量133kg



ごく一般的なレプリカ期のマシンスペック。
なんせ馬力規制があった以上45馬力を超えてるバイクはカタログ上いません。
車重もとりわけ軽いという訳でもなく、
とりあえずKAWASAKI臭いだけのマシンです。



コイツを最初に取り上げた理由はただ一つ。
そのエンジン形式故です。



KR250_engine_big.jpg

KRの心臓、直列2気筒エンジン。
通称タンデムツイン


多気筒エンジンは読んでの通り気筒:シリンダーを複数持ちます。
ということはシリンダーをどのように並べるかが結構重要な問題になりますが、
シリンダーを1列に並べる多気筒エンジンはその歴史も古く、
その採用車種の多さからごく一般的なエンジンと言えるでしょう。

gsxr1000_f_01.jpg
4つのシリンダーが1列に並ぶGSX-R1000のエンジン


自動車の場合ですと1列配置の多気筒エンジンは基本的に直列○気筒と呼びます。
ところがバイクでは大抵の場合直列並列を区別しています。

直列エンジンは進行方向と平行に(前後方向に)シリンダーが並び、
並列エンジンは進行方向と直角に(左右方向に)シリンダーが並びます。

自動車では直列~と呼んでいましたが、
バイクで一般的な1列配置エンジンは並列エンジンの方です。
特に日本は並列エンジンをこよなく愛しているメーカーばかりです。


そんな中、このKRは非常に珍しい直列エンジン
前後方向に1つずつシリンダーが並んでいる愉快型熱機関です。

前後方向にシリンダーが並ぶというと
ハーレーでお馴染みのVツインエンジンもそうですが、
KRのコイツはそんなエンジンとはワケが違います。


クランクシャフトも2本あります。



クランクシャフトが2本とか重量増えるだけで
メリットが全く浮かばん!
こんなヤツがホントに速いのか!?






KR250(ケイアールにひゃくごじゅう)は、2ストロークタンデムツイン(2気筒)エンジンを搭載した[1]WGP250ccクラス用ロードレーサー(競技用オートバイ)である。1975年のデイトナでデビューし[2]、ロードレース世界選手権250ccクラスでは、コーク・バリントンが1978年と1979年に、アントン・マンクが1980年と1981年に世界チャンピオンとなった[3]。

1977年になると350ccのタンデムツインは本格的にレースに復帰し、ミック・グラントがシーズン中盤のダッチTT(オランダGP)でKR350に初勝利をもたらし、さらに、後半のスウェーデンGPでも優勝した。1978年と1979年にはコーク・バリントンが、1981年と1982年にはアントン・マンクが世界チャンピオンとなった[3]。



タンデムツインは速かった。


少なくとも市販KRにとってのオリジナルにあたるレーサーKR
WGPではかなり活躍した名車だったのです。
しかし市販KRが登場した'84年にはKAWASAKIはWGPを撤退していた模様。
レーサーが存在していない状況ではあったものの、
過去のマシンの特殊エンジンを惜しみなく与えられたKRは
紛う事なきレーサーレプリカ。
っていうか市販車で直列2気筒なんて
KR以外存在してないマイノリティっぷり



でも売れなかった。


やっぱレース活動って広告の意味でも大事だったんだなー……


各社2stレプリカが毎年のようにモデルチェンジしていくさなか、
KRのモデルチェンジは1度きりでした。

次のモデルチェンジが来る頃には名前がKR-1となり
何の変哲もないパラレルツインとなって退化したKRがそこに居ました。


まぁそんなKR-1も
スラントノーズになることも無く消えていったんですが……。



かつてマッハやケッチと言った過激マシンをラインナップしたKAWASAKIにしては
情けないとさえ思わせるほどに栄えることもなく消えていった緑の2stレプリカ。

漢の不器用さがそうさせたのか、
はたまた時期が悪かっただけなのか。



レプリカブームの中ですら
ひっそりと消えていったレプリカマシン。





バイクを作るというのは難しいのだなぁと感じさせられる1台でした。

2012/12/02 22:33 | 無縁レベル 3COMMENT(18)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

No title

はじめまして。
20代半ばでNSR→22ガンマ→21ガンマと2ストの魅力に取り憑かれたキ○ガイですが、カワサキの2ストは特別というか、微妙というか、本当に見かけないですね

タンデムツイン、やはり縦に並んでいるので後シリンダーの冷却に相当無理があったらしくほとんどの車体が焼き付き、抱き着きで廃車になってしまい中古市場でも全く見かける事がなくさみしい限りです

250ccで30馬力しかない現代のマシンとは比べるべくもないですが、この時代はこの時代でガンマは曲がらないしTZRはうるさいしで優劣があり楽しい時代だと思います。だからこそ毎日白煙撒き散らしながら乗っているのですが(笑

No:1042 2012/12/03 10:36 | あいかしあ #- URL編集 ]

Re: No title

>あいかしあさん
KAWASAKIの2stはマッハケッチのイメージが強くて、2st市場晩年の車種はどうにも思いつきませんねぇ。
水冷だったら大丈夫だろうと思いきや、リアシリンダー焼き付くんですね……。
乗らなきゃ一生わからない部分ですが、
もはやコミューター化してしまった現行車には絶対にできない、
味わいという呼称でごまかす不出来さこそがバイクとしての醍醐味だと信じております。

No:1045 2012/12/09 12:40 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

これも、大学のときサークルの後輩が乗ってました
当時、NS250、RZ250RR、RG250Γ、KR250と4メーカーの2stレプリカ、そろい踏みになったわけですが、デザインの本気度やレースイメージからRG250Γが頭ひとつ抜けてる感じがしました

KRが惜しいって思うのは、KAWASAKIがWGPの250クラスから撤退したあとだったことと、チャンピオンマシンとはデザインがあまりに違いすぎたとこですねぇ
エンジンもレーサーは単純にシリンダーを前後に並べた後ろにクラッチがついているデザインでしたが、KR250は前シリンダーの背中に後ろシリンダーが乗るようなデザインした
WGPへの参加を継続していれば、レーサーもKR250と同じエンジンのデザインになっていったかも知れませんけど、あまりに違うエンジンデザインに、「レーサーの技術をフィードバック」といわれてもちと違和感を覚えたものです

全体のデザインも、同じKAWASAKIのAR50/80という単気筒の2stのほうが、レーサーのKRのイメージに近かったような気がします

その後、すべてのメーカが2st250にV型エンジンを投入したことを考えると、上手く熟成していけば名車になったのかもしれませんが、次モデルで平凡な並列2気筒になってしまったのは、これまた残念でした

No:1610 2013/10/13 23:36 | TZR(3VX)再生中 #6AWUBD.o URL [ 編集 ]

返信

>TZR(3VX)再生中さん
えぇい、羨ましい時代に生きていらっしゃる。
やはり撤退は痛いですね……やはり焦がれて跨るのがレプリカでしょうから、
焦がれる物が無いとどうにもユーザーを煽れませんね。
というかそこまで中身から外観まで違うのか……。
キチガイ2stマッハ3を持っていたメーカーだけに、
レプリカブームに2stがついて行けなかったのが惜しくてたまりません……。

No:1612 2013/10/16 11:48 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

実は、400&500Γ、RZV500も2軸クランクなんですけどね。
250でやっちゃうのがさすがカワサキ。

No:1656 2013/11/16 00:38 | #- URL [ 編集 ]

偶然たどり着いて、懐かしきKR250のことが語られており、嬉しさのあまりコメントさせていただきます。
当方、中年から初老へと差し掛かりつつある元ライダーですが、若かりし頃にKR250に乗って走り回っておりました。身の回りには緑色の看板のバイク店しかないような、やや特殊な(笑)町だったせいかKRを新車で購入する際に何の迷いもありませんでした。
乗り心地は発進こそジャジャ馬ではありますが、中高速域では安定感があり、特にコーナーが連続するワインディングでは、ペタンと寝かしてもアクセルオンで勢いよく立ち上がるので、面白がって限界まで寝かせてはアクセルを開けてキョーレツな立ち上がり時の加速を楽しんでいました。
タンデムツインならではなのか、車体の後ろ側に重心がきていたんでしょうね。すぐにピョコンと前輪が上がるのが楽しく、GPライダー気取りで遊んでいました。
もう少し強いフレームで、かつ冷却性を高めてくれれば、他に類を見ない面白い単車になっただろうとは思いますが、それはまた夢のまた夢なのかもしれないです。

ちなみにKR250の前はKH250、KH400に乗っていた根っからのカワサキ野郎でしたが、現在は家族用ミニバンのしがない運転手です。
長々とお目汚し失礼いたしました。楽しい記事をありがとうございました。それでは。

No:1835 2014/01/15 19:55 | fufufu #EBUSheBA URL [ 編集 ]

返信

>fufufuさん
コメントありがとうございます!
か、KAWASAKIの街……なんという恐ろしい場所に。
フロントが浮くのは怖いですねw
ペタペタと寝る感覚は今時の太いタイヤでは貴重なフィーリングとなってしまいました。
さらにそこに元気のいいエンジンが載っていたのですから羨ましいです。
しかしやはり冷却が問題ですか……難しいですね……。
KRの前がKH……羨ましすぎて卒倒しそうです。KHの凄まじい白煙を吐いて去る姿、大好きですw
若造が偉そうな口聞くと失礼なんですが、どうやらバイク熱が全然冷めてなさそうな文面で……
この先機会がありましたら是非ともバイクに復帰なさってくださいw
簡単な話ではありませんが、
「バイク買っちゃったよわはははは」なんてコメントをお待ちしています。

No:1838 2014/01/15 20:26 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

一時所有してました。
よく低速トルクがないと言われますが、
そう感じませんでした。
ブレーキも効きましたし。
ポジションも楽でしたよ。
訳あって手放しましたが、
今でも良い印象のバイクです。

No:2253 2014/05/09 19:55 | 天プラ #JalddpaA URL [ 編集 ]

唯一無二の

KR250(Sでなく)だけで4台乗り継いできましたが、焼き付きでダメにしたことは一度もありませんでした。
最初友人に譲ってもらった個体がものすごく調子が悪く、下がスッカスカで雨降るとすぐにかぶる泣きそうなマシンでしたw
それでもKRにしかないメカニズム(ボトムリンク式の水平サスなんて他にあるか!)の数々と、独特のスタイリング、フィーリングが気に入って手放しては買い、を繰り返してきました。今はもうサビだらけになってしまいましたが、部品とお金があればもう一度再生させたいくらいのお気に入りマシンです。

No:2558 2014/08/06 19:05 | けある #r1y2oiqA URL [ 編集 ]

返信

>けあるさん
KR4台乗り継ぎ……徹底してますね……。
KAWASAKIらしいというか、妙な機構盛り込んだ尖ったマシンですが、
まぁなんとも評価が厳しかったというか。
しかしKAWASAKIは皆雨に弱そうな印象がww
お手元に保管しているのですね。
何かしら巡り合わせで再生する機会が来ることを祈っております。

No:2562 2014/08/07 20:41 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

仮ナンバーを追跡しましたよ

学生時代に仮ナンバーのついた発売直前のKR250を偶然、土浦学園線で見かけGPz250で追いかけたことがあります。
テストライダーと思しき皮ツナギを着た3人で、KRは一人、他はYAMAHAのRZ250Rで、まさか他メーカーの2stで並走するとは思いもよりませんでした。
信号で遠慮がちに距離を置いて停車した自分に向かい、テストライダーのひとりが振り向いて大きな素振りで「来い来い」という感じで手招きしてました。
その当時は信号GPが結構流行っていたので、煽る煽る。
幸い、警察の取り締まりはなく見通しの良い直線道路で思いきり加速できましたが、自分のGPzでは、とてもこのKRには追いつけなかったです。
そのまま追跡を続けると、やがて矢田部のテストコースに3台は入って消えていきました。
興奮が冷めやらぬまま帰途についたのを覚えています。
若気の至りではありますが、良き記憶となりました。

No:2745 2014/10/08 06:43 | vespa #- URL [ 編集 ]

KR最高

はじめまして。
KR250のことが語られていたので、楽しく見させてもらいました。 各言う私も、ミドリの中古KRに昔(20数年前)に乗っていました。  本当はRZ250に乗りつもりが、バイク屋になくて KRを買ったのですが、クセ(低速スカスカ、パワーバンドはバカ速)があって 逆に面白かったです。  ただ、上のサイレンサーから垂れたオイルがリヤディスクについて、ブレーキが利かなかったのと 燃費の悪さ(リッター8キロ)には、参りましたが。 KRのおかげで、カワサキ党になり、今も通勤でKSR110(ボアアップ済)で、暴走しております。  扱いにくく、白煙上げて走る2ストバイクが復活したら、うれしいのですが、もう無理でしょうね。 
長々となりましたが、ありがとうございました。

No:2844 2014/11/08 13:10 | けろけろKR #- URL [ 編集 ]

返信

>けろけろKRさん
コメントありがとうございます!
当時を体験してないだけにオーナーさんの情報はありがたいです。
やはり低速無しですか……オイルでリアブレーキが死亡とは欠陥レベルですなww
もう扱いづらいを面白いとする時代は終わったようで、寂しいモンです。
また何か思い出の車種でもございましたら、コメントをくださいませ。

No:2855 2014/11/15 22:42 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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No:3506 2015/05/22 20:39 | # [ 編集 ]

返信

>マッハなオヤジさん
コメントありがとうございます。
予約から手に入れて未だにお持ちとは素晴らしい……電装などはもう古いバイクじゃ諦めざるを得ませんね。
マッハKHの時代が嘘のように、レプリカブームに対してKAWASAKIは一歩引いていたというか……
その代わりZXRで過激路線が返り咲きましたがww
確かに、存在を知らなければGPZしか思い当たらないのも無理はないのかも知れません。
またなにか思い出にかすめるバイクがありましたらコメントをくださいませ。

No:3513 2015/06/02 20:50 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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No:3551 2015/06/11 21:04 | # [ 編集 ]

最初のバイクがKRでした

中型免許を取って初めて買ったバイクがKR250でした。
週末になると生駒山を走り回ったものですが、当時の生駒スカイラインはまだバイクが走ることができたのです。
コーナーでこけた人を何人も救急車を呼んで助けました。一度だけ焼き付かせてしまって、真夜中にバイク屋までえんえん押していったことがあります。
初めてのバイクがKRとは過激なことをしましたが、皆が言うほど低速スカスカだったのかもですが、回転上げなければ初心者でも扱いやすいバイクでしたよ。
でも回転上げて走れるようになったら、相当事故を起こしましたねぇ。一度100Kmくらいでこけたときは対向車線までとんで怪我しましたが、自走で帰れましたから丈夫なバイクでした。

No:4321 2016/04/27 21:52 | 今はZZR乗り #- URL [ 編集 ]

昔、友達が乗ってた。

 なんと5千回転以下ではクラッチが繋がらない。すごいバイクだなと思った。最近弟が乗ってきたR1-Zですら3千回転以下では繋がらなかったので昔のはこんなもんなんだろうね。
 兎に角。ライダーにはあまり人気が無かったが、アマガエル人気は最高で、自分も今度KLX250ファイナルエディション入荷するんで、アマガエルからは人気が出そう。今までのZRXダエグは同じ緑でもメタリックだったしな。緑のKR250はケロケロKRと呼ばれていたぞ。

No:4465 2016/07/07 13:37 | ヨタ5 (よたご) #YhxRTNrk URL [ 編集 ]

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