閑話休題 ギア比に見る

バイクネタに絞る前に載せた話の使い回しです。




原チャリから大型まで、
自動車同様バイクにも変速機というものがついています。
これは言うなればトルクと速度の変換装置であり、
非力なトルクを速度でカバーしたり、
逆に余裕のあるトルクを速度に回したりできます。

一般的な形式では
原動歯車(エンジン側)と被動歯車(タイヤ側)の歯車比を変更して駆動力を強化します。

自転車の変速機で見てみると、ペダルの装着されたクランクの軸に原動歯車があり、
後輪の軸に被動歯車が装着され、2歯車間をチェーンでつないでおります。

自動車バイクの場合ですと自転車のように1カ所(ペダル~タイヤ)で変速するのではなく、
数段階に分けて複数箇所で変速するのが一般的です。

バイクでは大抵、
クランク→クラッチで変速(1次減速)
ギアボックスで変速(ミッション)
エンジン側・タイヤ側の前後スプロケットで変速(2次減速)

の3段階に分かれます。


この中でフレキシブルに変更可能なのが2番目のミッションです。
MT車であれば4~6段搭載のギアを自分でガチャガチャやりながら変更しますし、
スクーターであれば遠心力で自動的に変速比が変更されます。



さて、変速比というのは数値を大きく取れば駆動力をそれだけ大きく強化できます。
同時にその設計は速度を犠牲にすることになりますが、
どのように変速比の大小が決められているのか。
これは結構気になる人もいるのではないでしょうかと勝手に類推。

大まかには以下の通りになります。



・変速比が大きい(ローギアード)場合
小排気量車
高回転型車
多気筒車
サーキットスポーツ系

・変速比が小さい(ハイギアード)場合
大排気量車
低回転型車
シングル・ツアラー
最高速狙い車両系




ここであれ?と思う方もいらっしゃると思います。
変速比が大きいと速度が犠牲になるという点を踏まえて考えると、
なぜ速度を求めるスポーツ車や多気筒車が
ローギアード設定になるのか?


逆に非力な単気筒勢がなぜ変速比を大きく取らないのか?



変速比はこの辺りが少々紛らわしいというかややこしい話です。

上にトルクと速度の変換装置なんて書きましたが、
速度という言い方には少々語弊があります。

ここで速度というのは時速ではなく回転数のことを指しています。


単気筒は最大回転数では多気筒に劣りますし、
高回転まで回すと快適性が著しく悪化していきます。
よって回転数を上げずとも速度(時速)を確保できるように
変速比はハイギアードにセッティングしてあります。
トルクを犠牲にしていることには代わりありませんが、
単気筒はエンジンそのものが低速トルクに富むので
発進加速程度はノープロブレムです。


反対にサーキットスポーツ系の場合。
単気筒などに比べると最大回転数が高いスポーツ系は、
単気筒と同じスピード域に性能を限定してやると
余っている回転数をトルクに変換できます。
必要なトップスピードを考慮しつつ余分な回転数をトルクに回す。
サーキットスポーツ系はこのように変速比が決められておりますが、
同様に高回転型でもトップスピードを求めるメガスポーツなど
最高速を求める余り変速比がハイギアードに設定されています。



小難しい話終了。



排気量やエンジンの違いで変速比に差が出ると書きましたが、
本来高回転型の4気筒に溢れる日本は
同一排気量の4気筒機でもその変速比が大きく異なります。

というわけでカタナについて調べていたときにかき集めたデータを見てみましょう。


Suzuki 400gear


一番下の6速Finalとあるのは1次と2次の変速比(減速比)と6速変速比をかけた数値です。
変速比が7.5を超えたら赤、7.0を超えたらピンクにしてあります。

初代Banditから61馬力GSRまでの4気筒+2気筒スポーツ。
こうしてみてみるとレプリカであるR400が定例通り変速比が高くなっています。
同時に初代Banditもネイキッドであるのが疑問なくらいローギアードです。
初代Banditは59馬力世代の上に乾燥車重はCB-1と同じ。
ネイキッドとしてなんか間違ってます。

間違っていると言えばやっぱりカタナ。

ロングストロークにしたせいで
回転数的に不利にもかかわらずローギアード第3位
もっさり吹けない上に吹かさなきゃスピードでないって
一体なんの嫌がらせですか。

53馬力世代に生み出されたRF2代目BanditはR400と同じストロークながら、
変速比を抑えた正統なツアラー・ネイキッド路線に走っています。
またロングストロークのインパルスにはカタナの反省が反映されているっぽいですね。
さらに2気筒勢は回転数で不利なのか、露骨にハイギアード設定です。






ついでにHONDA・YAMAHA・KAWASAKIのデータもあるのですが、
少々文章量が多くなったのでそちらは次回に続くということで。

2013/03/05 23:27 | 閑話休題COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

No title

閑話休題を読む事はかなり好きです。
なにげにそこからへぇーと学ぶ事も
私にとっては多いです。
文書は短くなりましたが、楽しみに
しているカテゴリーではあります。
是非、つづけていただけたらと思います。

No:1142 2013/03/07 10:25 | よし #- URL [ 編集 ]

No title

>>初代Banditは59馬力世代の上に乾燥車重はCB-1と同じ。
>>ネイキッドとしてなんか間違ってます。

初期化型バンディット乗りとしてはそこが良いところなんですよw
一般道でしたら2stレブリカや大型にもついて行けましたから。
でも本当はロケットカウルの初期型が欲しかったのですが・・・

変速比の一覧表は分かる人には分かるのですが、分からない人には
謎の数字に見えるのでは?
分からない人はここには来ないって話は無しで。
エクセルと株価グラフ?のMax-min-Aveとかを使って回転数と速度を
視覚的に表せば分かり易いかも知れませんね。
作る方は大変かと思いますがw

実は400刀は大好きですw
スタイルといい刀の完成形と思いますよ。
ユニコーンの1400刀を買うくらいだったら400刀をいじりたいくらいです。
なので管理人さんの愛車といえでも落ち要員は納得が出来ないですw

No:1143 2013/03/08 01:32 | Imp #/.OuxNPQ URL [ 編集 ]

Re: No title

>よしさん
載せる記事全般に言えるのですが、
こちらとしては正直ライト層狙いなのかヘヴィー層狙いなのか
よくわからん記事を書いているという自覚があったりするので、
読む側からするとわかりづらい部分も多いと思われます……。
こんなつたないものですが、楽しんでいただければ幸いです。

>Impさん
Banditのロケットカウルはかっこよすぎなのですよ……ッ
グラフ利用は検討したのですが、
折れ線グラフで作ってみたところ車種が多すぎて煩雑でわかりづらい感じになり却下しました……。
さすがに速度の方まで網羅するのは時間がかかりますね……
ただ1~6速までの変速比守備範囲を1軸でグラフ化して
それを各車横並びで比較すれば多少はわかりやすくなるかもしれません。それこそ株価グラフですねw
ちょっと色々検討してみます。

400は確かにカタナの中ではバランス的に完成型と呼ばれ、私もそうだと思います。
実際のところ自分のバイクに対する愛着も凄まじいですしw
ただ欠点無視して無条件に持ち上げるのも性に合いませんし、
こんなスタンスのブログなのでオーナーや愛好者の方々には申し訳ないですが
いじる部分は容赦なくいじります。

一応弁解しておきますと、
何故400カタナのギア比が低いのかは自分なりに理解しているつもりです。
事情故のミステイクであるというのはわかっております。
理解してますがいじります。

No:1145 2013/03/08 12:21 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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