馬鹿工房 バッフル細かい話

バッフルの補足です。

つまらない&間違いだらけの可能性があるので
死ぬほどヒマな人はお読みくださいませ。




P1650854[1]

先日自作したスプリング式可変バッフル。

前の記事でどういうモノかザッと紹介しましたが、
詳細はかなり面倒で専門的な話になるので省略しておりました。

自分用の記録をかねて、
このバッフルの細かい話を書いていきたいと思います。


4stエンジンの話ですが、
カムの動作行程にはオーバーラップという部分があります。
吸気バルブと排気バルブがどちらも開いている時間のことです。

排気行程ではピストンが上昇して燃焼ガスを排気ポートへ押し出します。
このとき、ピストンの上昇でシリンダー内部の空間体積をゼロにしてしまい、
全ての燃焼ガスを追い出すのが理想的な状態です。

ところが実際にはそんなことできません。
同じシリンダーの同じストロークで圧縮行程を行っているので、
シリンダー容積と圧縮比に準じた容積がピストンの上死点時でも残ります。
ということはピストンの運動だけでは燃焼ガスを全て排気することはできません。

そこで吸排気バルブを同時に開けて、
シリンダーに残ろうとする燃焼ガスを
吸気ポートから入ってくる混合気に置き換えてしまうわけです。
吸排気バルブがどちらも開いているので、
シリンダーに入ってきた混合気がそのまま排気されることも起こりえます。
オーバーラップの有効時間は回転数によって変化するのが厄介な問題です。

さて、シリンダー内部の燃焼ガスを混合気に置き換えると書きましたが、
バルブを両方開ければ自然に置き換わってくれるかというとそうでもありません。
混合気を押し込むか燃焼ガスを引っ張り出すかしなければ置換できません。
マフラー--というかエキパイの役目は色々ありますが、その中に
燃焼ガスを引っ張り出す雰囲気を作る役目があります。


シリンダーから排気された燃焼ガス(排気ガス)さん達はマフラーの出口へ向かって走っていきます。
コイツ等は通った道に元々あった空気達を巻き込んで出口へ走っていきます。

つまりコイツ等が駆けていった跡は空気が足りない(負圧)状態となります。
(イメージの話です)

この負圧状態の時にオーバーラップを合わせてやると、
空気が足りないエキパイが残った燃焼ガスをシリンダーから引っ張って行きます。


これが排気系の脈動の利用というヤツです。



エキパイというのはこの排ガスの圧力(正圧)と負圧の周期を
うまく利用できるよう設計されています。

集合管はさらにシリンダーごとに生まれるこの周期を
互いに干渉させてうまく強め合うように設計され、
EXUPのようなデバイスもまたこの周期に関わる制御を行っております。



はい、ようやくスプリングバッフルの話です。

EXUPやCBRのデバイスと言った電子デバイスと
私の作ったスプリングバッフルの決定的な違いは
動作するために排ガスを利用しているか否かです。


電子デバイスで、デバイスを可変させるエネルギー源は電気です。
それに対してスプリングバッフルでは動作に排気ガスの力学的エネルギーをアテにしています。
バッフルが開くためにはスプリングを縮める必要があり、
そのためのエネルギーは排ガスのエネルギーから拝借しています。
ということは本来排ガスが持っていたハズの流速や圧力というエネルギーを
バッフルが喰います。

ようはコイツ、余分な排気抵抗になるというお話。


メーカーがスプリング式を採用しない理由はここでしょう。
タダでさえ面倒な排気干渉の計算において
排ガスのエネルギーをバッフルが食い散らかすんですから余計面倒です。


私の浅い目論見では
スプリングによる排気抵抗が問題になるのは恐らく極高回転域の話だろうなーと。
ロングストロークで吹け自体が穏やかな上に
カムが結構低中速寄りだと思われるカタナでは
そんな高回転域のことを考慮する必要があるのかは疑問です。

GK73Aのカムでも入れれば話は別かも知れませんが……
ともかく、ちんたら走れば低速あるし音は静かだし、
吹かしたときはそこそこパワフルに、音もほどほどに。

こういうのが個人的には理想なので
普段ろくに使いもしない高回転のためにどうこうってのはやりたくないです。



さて、デメリットと思われるもう一つの点。

先の記事でリニアな特性変化装置が欲しいと書きましたが、
コメントいただいたとおり実際はリニアじゃありません。


電子制御の場合は回転数を検出してその回転数と並行して排気デバイスが動作します。

しかしスプリングバッフルが利用しているのは排圧。
排圧が大きくなるとバッフルが開きます。
つまりコイツが動作を始めるのは吹かした後です。

バッフルの効果にタイムラグが生じる。

そんなデメリットも存在しています。




ってなわけでこのスプリング式可変バッフル、
決して優れているとは言い難いものであると言えます。




とはいえこの世界なんてやってみたら良かったなんて話が結構あるもんで、
思いついたネタを試さず放置するのもどうかなーと思って今回材料購入したので作ってみた次第。





--なんか書いてみたはいいけど、怪しい部分いくらかありますねー。
とりあえずしばらくはあれこれ試してみながら様子見していきます。







2013/06/28 00:00 | 馬鹿工房COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

リニアじゃネェといったモノです

いや、あの、その・・・
なんか、思ったことをそのままコメントしてしまった次第ですが、ケチ付けたかったわけじゃないんですよ^^;

で、また思いつきなんですが、「アクセルワイヤー直結連動型」なんてどうです?
アクセル開度20%以上で絞りが開き始め、50%以上で全開なんて具合に
それをキャブのリンクにかませて連動させたりなんか・・・

深く考えず思いつきのコメ、重ね重ねスイマセン

No:1374 2013/06/29 19:30 | #- URL [ 編集 ]

返信

> リニアじゃネェといったモノです
いえいえいえいえいえ!!アヤが付いたとは思っておりませんって!!
作ってる最中に「これラグがあるよなー」と思ってたトコに意見もらったので確信に至った感じです。
スロットル開度制御は必ずしも回転数と一致しないからそれ単体では難しいかなーと思いました。
あと構想段階でスロットル制御はあったんですが、キャブ周りに部品を追加すると……
振動で緩んだときが結構怖いんです。
下手するとスロットルが戻らなくなる(経験有り)

いやー素直にモーターでやれよって話ですねw

No:1375 2013/06/30 00:21 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

90年代に実際に商品としてありましたよ。
かなり有名な社外パーツメーカーがリリースしてたと記憶してます。
さらにワイヤー式で手動で排圧が調整できるマフラーも有りましたね。

No:2450 2014/06/22 14:43 | マア坊 #pYrWfDco URL [ 編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |