その105 RS125

最後の2stスポーツ



RS125



無縁レベル:2





レプリカブーム以降、近代的な車両設計のバイク達が登場して以来、
2stのスポーツマシンというと国内ではどうしても250クラスが活発でした。

大型免許取得の困難さからメーカーのラインナップは中型クラスに力がいれられ、
同時に維持費の安い250クラスにおいて次々と過激なモデルが投入されました。


もちろん海外でもこのクラスのバイクの情報は見られますが、
海外では125クラスも250並みにホットだったと思われます。
海外、ここではユーロ圏としておきましょうか。
125未満が「原付扱い」となる免許制度を持つ国々では
125クラスに気合いの入ったモデルが結構並んでいました。

25馬力オーバーなど当たり前、
ツインスパーフレームを採用し、倒立フォークを採用し、
レプリカ的なデザインからSS的なデザインに至り--
果ては7速化まで。

日本がさっさと2stマシンの製造を終えてからも、
ユーロメーカーは2st125のマシンを割と最近まで作っていました。

2008年のバイクカタログを見てみると、
アプリリア(イタリア)
カジバ(イタリア)
デルビ(スペイン)

3社はこの時点でそれぞれ125クラスの2stスポーツを作っています。


今回のバイクはこれの1社が長く作り続けた、
2stレプリカの近代進化形とでも言うべきモデルです。






Aprilia RS 125 09 1
Aprilia RS125 10 1
RS125


イタリアのメーカーapriliaから送り出されていた2stスポーツ。
オーストリアのエンジン屋ROTAXのエンジンを搭載。
近代的な装いの中身は未だ2stという熱いマシンです。



2stのエンジンを使用したまま、
なんとビックリ'11年あたりまで作られていました。


その登場は'92年にまで遡ります。




Aprilia RS 125 Extrema 94

アプリリアの当初の125スポーツAF1のフルモデルチェンジとして登場。

その最高出力34馬力/11000rpmという馬鹿げた数値。
乾燥重量115kgという軽量な車体をぐんぐん押し出します。



Aprilia RS125 96 1

外観的にはこれが2代目あたりでしょうか。
この面構えはRS250にて見覚えある方も多いのではないでしょうか。

やはり欧州車ということでRS250も大柄な車格を持ち合わせていましたが、
RS125もほとんど同じようなサイジングでした。

この顔をしている時期に、エンジンがロータックスのタイプ123から122に変更されます。
低速トルクを増やしつつも遜色のないパフォーマンスや優れた整備性を実現していたようです。



Aprilia RS 125 09 1

そして'06年にフルモデルチェンジとして、このような超近代的スタイルを手に入れました。
中身は先代から引き続きロータックス122。
主に外観が変わったように見受けられ、他はサイレンサーが変わったのかなーという程度に見えますが--




Aprilia RS125 10 1ss
125ccにラジアルマウントのブレーキキャリパーを採用。

や、やりすぎじゃあないか……!?

流石に本腰入れて作られてるスポーツマシンは違います。


諸元、というかエンジンの出力に関しては
この面構えになってから排ガス規制の変遷によっていくらか仕様があるようです。
調べた中で最もハイパワーな諸元を見てみると--



水冷2stクランクケースリードバルブ124cc
最大出力 34馬力/11250rpm
最大トルク 2.04kgm/10000rpm
乾燥重量 127kg
ホイールベース 1345mm



やはり125クラスはホイールベースが短い
その上で30馬力オーバーのこのパワー。

この数値を目の当たりにしては、どうしても小排気量なら2stの方が!
と思わざるを得ません。


いくらか仕様が--と書きましたが、
その仕様を並べてみると

123・122前期世代:34馬力(フルパワー)
排ガス規制EURO2世代:28馬力
排ガス規制EURO3施行('09年以降?):24馬力
恐らく免許制度上の制限値:15馬力(デバイス無し)



15馬力は泣ける。


21世紀になっても10年ほど作り続けていたのは日本より恵まれていたものの、
やはり排ガス規制だけはしんどいしんどい……。





さて、今回このバイクを取り上げた理由。
試乗の機会を頂けたからです(笑顔)

外観はツリ目2灯で28馬力世代にあたるモデルだそうです。
というわけで簡易的ですが私が感じた通りに感想を。


まず最初の印象ですが、滅茶苦茶乗りやすいです。
驚かれるかも知れませんが終始乗りやすさが頭から離れませんでした。

剛性感バッチリのフレームやらスウィングアーム
ねじれ感が全くない倒立Φ40のフロントフォーク
幅150という125ccにしてはかなり太いリアタイヤ
コントローラブルな前後ブレーキ


125ccのエンジンパワーならばまず破綻しないだろう車体装備の全て。
そんな不動の安定性を誇る車体に搭載されたアホパワーフィールのエンジン。

低回転はホゲホゲ言いながら吹けあぐねるくせに
6000rpm辺りからホゲッ!?と反応を始め
8000rpmからはもうレッドゾーン目指して一直線。


これだよこれ!!!
これが小排気量だよ!!



それでいて驚いたことに低速トルクの少なさはそれほど感じませんでした。

もちろん4stに比べたら確実に低速トルク無いです。

しかし普通に発進するだけなら3000rpm辺りで半クラッチで十分。
ちょいと飛ばそうと思っても5000rpm弱程度で元気よく発進します。

いや、多分それがおかしいんですが
125ガンマより全然マシ時代が違うんだから当たり前ですね……


前傾姿勢がキツイキツイなどと言われますが、
近代SS的なポジション設定がされていると思われるこのRSは
レプリカほどポジションがキツイとは感じませんでした。

膝を当てるタンクのへこみ部分、その上部が良い感じに出っ張っていて
そこに膝を引っかけるような形で上半身を支えてやるとなんとも楽なポジション。
こんな些細な部分にすら時代の進歩があるのかーなどと感動しました。

体格によってはそんなフィット感はないかもしれませんが……



軽量でパタパタと寝てくれる車体。
回転数管理を要求してくる元気の良いエンジン。


イマドキの、125クラスどころか250クラスにもろくすっぽいない面白いマシン


2stレプリカを楽しいと思っていた世代ならば、
こりゃはまる人が多いのではないでしょうか。
正直私も欲しいと思ってしまいました。


張り合いのある、まさに楽しいバイクです。



で、同時にもう一つ。終始気になっていた点。


タコメーターの針がおよそ800rpm刻みで動く。


!?



これは初体験でした。

タコメーターはアナログです。
きっとアナログタコの動作を頭に思い浮かべると
滑るように針が上下する様子をイメージする人が多いと思います。

ところがどっこい、コイツは違いました。


800rpmずつ、ビクッビクッビクッビクッ!!と針が上昇します。


お前は量子でも検出してるのかッ!!?

吹け上がりの軽快さもさることながら、
それを表示するタコメーターすらエンターテイメント装置とは恐れ入ります。

案外スムーズに動いているタコメーターというのはすごいのかも知れません。





日本国内は、21世紀に入る頃にはRZを除いて2stのスポーツはほぼ絶滅しました。
2stの排ガスすらターゲットにしたEURO3施行によって、
欧州の方でもついには2stスポーツが潰えた今日。


例え古くさいと言われようが、
燃費も悪い不出来なエンジンだと言われようが、
私の考えはここに行き着くと確信しました。



2stは間違いなく楽しい。


この感性だけは手放さぬよう、バイクに乗り続けたいと思います。
またいつか、2stに跨ってやります。







2013/12/14 21:44 | 無縁レベル 2COMMENT(12)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

旧車の機械式タコメーターにみられるクロノメトリックタイプですかね?
こんなのです↓
http://www.youtube.com/watch?v=Pary9C3QWFo

No:1718 2013/12/14 22:28 | CB400SFRevo #- URL [ 編集 ]

なんか今までの記どの事の中のどれよりも楽しそうですねぇ…これだから2st馬鹿はw(褒め言葉)

あの現代風なスタイリングやインパネ周りで2ストっていうギャップは魅力ですよね。

元のカート用エンジンを流用すればOH時の部品集めが比較的楽に出来るのではと昔調べた事はあるのですが、所々チューンされているらしく簡単にはいかないようです、残念!

No:1719 2013/12/15 00:11 | ひぃや #- URL [ 編集 ]

2stは面白いですよね。
僕もKSRとNS-1を持ってますけど、パワーバンドに入った時の背中を蹴られるというか胸がすくような加速がたまらなく好きです。
KSRなんかは特に下から来るので、ほんと面白いです。

No:1720 2013/12/15 01:09 | KSR #- URL [ 編集 ]

まさか本当に記事にしてくださるとは、うれしい限りです。
125ccですらこれほど楽しいのに、250ccなんて乗ったらどうなってしまうのか…
購入動機はただ単純に「2stに乗ってみたい」という漠然とした考えでしたが、ここまで楽しいエンジンだもは思って無かったです。
高速走れないから、年間を通して走行距離もそんな増えないし、長く乗れそうです。
本当できる限り、大切に乗って行きたいと思います。

No:1721 2013/12/15 07:43 | Tson_n #- URL [ 編集 ]

はじめまして。

はじめまして。
いつも楽しく読ませてもらっています。
2stは楽しい。
僕もその楽しさに毒され、今だに2stを2台乗っています。(笑)

No:1726 2013/12/15 20:56 | あかほり #- URL [ 編集 ]

返信

>CB400SFRevoさん
機械式タコの存在は知っていましたが、
「クロノメトリック」なんてのは知りませんでした。
単位時間カウント式なんですね……中々愉快な動きをww
試乗したRSはエンジン的には電磁式のハズなんですが……
内部の構造のせいなんでしょうかね……?いや妙な動きですアレは。

>ひぃやさん
乗ってみるとやはり感情が強くこもりますね……
まさにギャップです。それも素晴らしいと思えるようなギャップでした。
カート用カート用と聞いていましたが、やっぱり中身は変更されてるんですねー。
あと5,6年は部品供給行けそうな気はしますが……アプリリアってその辺どうなんでしょ。

>KSRさん
カタナと付き合い始めて長いですが、やはり2st機だけは別格です……
2stというとKSR-2ってことでしょうか?
あの小柄な車体で2stエンジン搭載ですからエキサイティングでしょうねぇww
いつか跨ってみたいモンです。

>Tson_nさん
大切な車両をお借りできて有り難かったです。本当にありがとうございます。
過激さで言えば600SSの方がよほど過激なのかも知れませんが、
明確に豹変するエンジン特性と、恐らく600クラスは到達しないだろう130kgクラスの車体。
この組み合わせだけは、もうこの先出てこないのではないかと思っています。
大切に、楽しんでお互いバイクに乗りましょう。
また機会があったら一緒に走りに行きましょうw

No:1727 2013/12/15 21:10 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

返信

>あかほりさん
コメントありがとうございます!
維持するには色々と厳しい時代とはなってきましたが、
それでも「楽しい」という感覚だけは譲れないんですよねw
まさかの2台持ちとは……
事業的に厳しいとは思いますが、メーカーには少しでも長く部品を作って欲しいものです。

No:1728 2013/12/15 21:15 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

そうです。
KSR-2のB5型に乗っています。
小柄とオフ車ということもありパンチは凄いです笑
しかし、腕の問題かもしれないですが、フロントブレーキが効かないので試乗される時はお気を付けて乗って下さい(^^;;

No:1729 2013/12/16 00:33 | KSR #- URL [ 編集 ]

タコメータ

たぶんステッピングモーター式のメーターでは、
その時代4輪用で永井電子とかが製造販売してました。

No:1730 2013/12/17 12:00 | SC54 #- URL [ 編集 ]

返信

>KSRさん
フロントブレーキが効かないのは……もはやチョイ古バイクを試乗する上での前提みたいになっていますねw
友人がだれか持っていないものか……

>SC54さん
情報ありがとうございます。
仮に本来スムーズに動作するメーターを
あえて味付けであのようにしているのだったら脱帽ですね……

No:1731 2013/12/18 00:12 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

ほげ!

 RS250の生産終了に伴い一緒にカタログ落ちしていたと思っていたらそうではなかったのですねぇ…
 ふと検索してみるとどれもこれも中古らしからぬいいお値段…ちょっと手が出せません。

 実は、KSR-Ⅱを実家での足として入手して保管していました。
 気がつけば野晒しになっていて不動車にしてしまったことを今つくづく悔やんでいます。
 オイル一缶分も走れませんでしたが、アクセル開けるのが非常に楽しかった記憶があります。
 ブレーキの方は比較対象がリミッターが付く前のJOG(メーター一周済み)ですが、JOGよりは確実に効いていました。(笑)

 
 
 

No:1736 2013/12/21 11:04 | SIG #- URL [ 編集 ]

返信

>SIGさん
地味に長く作り続けていましたw
結構な価格となっていますが--乗ってみると確かに、
このフィーリングを手に入れられるならば……と思ってしまいますw
不動車にとは残念……とは言え保管も大変ですよね。
小排気量のスロットルを開ける楽しみというのはバカに出来ないモンだと思います。
ブレーキは……JOGよりは……ですかww
そりゃ覚悟がいるレベルかなぁと思いますw

No:1738 2013/12/22 20:58 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

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