その158 TMCS-2016

無縁単車

春の輪留め祭

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毎週更新という健康的な更新ペースです。

まぁこの先は次のTMCSまでこんなことは無いでしょう。


さぁて…………














コイツの季節ですよ

輪留めに季節感を覚えるようになりました。
桜に春を感じる真っ当な感覚がすっかり式微しております。

と、長い前置きでも書こうかと思いましたがコイツの前に言葉はいりませんね。







YAMAHA

件のデルタステーです。




小さいのも完備、だったんですが－－－－









歴戦の古強者も参戦。


昨年末の東京モーターショーではブースがオールデルタステーだったんですが、
何故か今回は新旧入り交じるオール輪留め総進撃みたいな状態でした。



ちなみにデルタステーミニサイズ、
ちょっと観察していると……



車種名のメモ書き残ってました。

いやーパッと見小さいとか分からないサイズですからねー……


そういえば古強者のYAMAHAステーですが、
穴あきリブ補強タイプがどういう構造で軸高さを調整しているか見たことがありませんでした。




男のボルト2本止め。シンプル。

よくよく見るとこのリブステー。すごく簡易な構造なんですよね。
市中品と思しきチャンネルにカットしたリブをタックで溶接して終わり。

デルタステーの美しさも目を見張る物がありますが、
このリブステーも製作段階からの機能美的な美しさがあるような気がします。
なんともいぶし銀なステーです。



アクスルステー捕まえていぶし銀という単語を使う日が来るとは思ってなかったよ。





インディアン/Victory


ラグジュアリー・アメリカンのVictory

ハーレー同様の前輪輪留めです。
軸じゃなくタイヤ固定型。
アメリカで売ってる市中品と思われます。




インディアンもVictoryと同じです。
バイクと一緒に輸入してるんでしょうか？






こっちはHarley-Davidson

アメリカ勢は共通ですね。

しかしこの前輪止めの写真、ちょっと引いて見てみると－－



3輪なんだけどこれ前輪止め必要？
いや、まぁハンドル切るのを防止してるのか……








ハーレーは前輪よりも後輪を留めてるプレートの方が見応えがあります。
ありますが下半身露出の多いコンパニオンのねーちゃんがうろついているので、
このプレートをピックアップして撮影して回るのは心理的に不可能です。
まるで下半身を追いかけて撮影しているような情けない真似はできんのだ……！！


あの下心丸出しの撮影が出来るカメ小の様な精神力が欲しい。
いや、欲しくねーな。




KTM
変更無しです。
ブースも相変わらず全力でオレンジです。




Triumph
金物は変更がありませんが－－



ステッカーが何故か変わりました。




今までのは切り抜きタイプでした。

んーロゴ変わったんですかね？









BMW
変更無し










DUCATI
変更無し


ドカは昨年のショーモデル用ステーは凝っていましたが、
展示車用ステーを凝るような真似は今更しないでしょうね。
むしろショーモデル用で魅せてくれるならばそれはそれで万々歳ですが。





台湾のスクーター屋 KYMCO




参戦してきたぞ！！

KYMCO参戦！

さながらモンスターエナジーの引っ掻きロゴみたいな3本長穴ステー




しかも後輪も装着。

似たような意匠で前後輪揃えてきました。
なかなか侮れませんKYMCO。



こんな感じで高さ調整自体は至極シンプルです。






HONDA

現在話題のアフリカツイン







のステー

さすがに人だかり途絶えぬ車種だったのでね、
撮影してくるの恥ずかしかったですよ。

あくまで新型車のラジエーター回りをチェックする同業のフリをして
フロント周り撮影してましたからね。

で、これが東京モーターショーの際に見落としていたHONDAの新型ステーですね。


ドカやらBMWと似たような構造。しかし黒、というよりもダークグレー。




六角穴付きボルトで上から留めてますね。



高さ調整は内側のボルト2本。

これだと高さ的に10インチホイールスクーターなんかは厳しいかも知れません。
下手すりゃ13インチとかのビグスクも難しいかも。

HONDAも供給体制は万全というわけではなく、
この輪留めは基本的に一部目玉車両用でした。




他のは例年通りのこれとか



小径ホイール用のリブが小さいこれですね。


しかしHONDAが新型輪留めを作ってきたのは喜ばしいことです。

喜ばしいんですが……





サイドキャップが盛大にズレてたりと、若干抜けてます。
お前はKAWASAKIか、と。






KAWASAKIですね。

今回は残念ながら東京モーターショーであったとされる新型が展示されてなかった模様。
……見落としてはいないと……思う……！！








Moto Guzziもといピアジオグループ

変更がありません。
高さ調整不可なプレートステーです。






北欧のオフ野郎Hasqvarna
毎回は出てきませんが今回は出展。



ドカ・BMW・HONDA寄りな斜めステー。


ん？ちょっと待てよ……





前回('13)はこれでしたから一応新造ですかね。

ひっそりと出展するメーカーもこっそり新造してるもんですね……






先日危機感のない経営の危機ニュースが話題となったアグスタ





が日本では面倒を見ることになってるSWM





これ去年アグスタが展示用に使ったヤツですね。


ちなみにアグスタはというと－－－－









Don't touchに徹していたのでレーサースタンドタイプのみでした。



レーサースタンドというと……




bimota

堂々のDon't touchです。



以前はMoto Corseスタンドでしたが妙にシンプルになりましたね。



そんでこんなところに締め付けトルクが書いてあるんですね。

意外と配慮が細やか。
というかこれなんかいいな……メタリックステッカーカタナに貼りたいな。トルク指示の。






リジッドアメリカンの国雄 プロト





バイクが派手なんですからあまり派手なの作っても仕方ないですよね。








こちらはパーツサプライヤーブース デイトナ






た、ターンバックル…………

いや、合理的だ。合理的なんですがそう来たか……





ターンバックル





ターンバックル







ホイールのトコに吊り環着けてますターンバックル。







ちなみにMoto Morini











もターンバックル




でもなんか若干お洒落。


デイトナのはモロにホームセンター臭がするターンバックルでしたが、
なんかこっちのはメッキで円柱な分ちょっとお洒落。

さすがイタ公、地味に抜かりが無い……！！








カスタムパーツ屋 ACTIVE




意外とごつくて黒光りしている謎の高級感路線。



しかも後輪止めは2タイプご用意！！









さらに輪留めならぬ胴留め登場！！

スウィングアームピボットを留めてホイールが浮くようになっています。
この発想はなかったな……

意外とやるなアクティヴ……！！



そんでちょっと気になったのがですね…………






手棒ですよね、これ。

いやーなんか久々に手棒と分かるビード(溶接跡)を見た気がします。

これぐるり一周溶接してるけど歪まなかったのかな……




そういう観点で考えると－－



YAMAHAのタック溶接とか



HONDAのリブ点付けとか


なんか強度十分出しつつ歪まないように考慮されてる感じで
大企業の老獪さというか技術力・感性みたいなのが見えるような気がしますね。


で、そういう観点で－－









SUZUKIを見てみるとですね……






やっぱクオリティが異常なのよ！！





円柱部は多少ビードがよれてますが……





こことか







ここのクオリティの高さは何なのか。

いやお前フレームでこのクオリティをやれと


あ、SUZUKIの輪留めはいつものようにツライチ・平面・立体の3種混成でした。







さて、だいぶ淡泊な記事でしたが如何でしたか。
2016年東京モーターサイクルショー。


もはや完全に「お前バイク見てねーだろ」と言われそうな記事ですが、
一応バイク見てますからね。

別にこんな部分、ショーのメインどころか脇役以下の存在なんですが、
それでもこういうイベントという機会でしか見られないものです。
そしてその脇役以下の展示用アイテムが、異様なクオリティで作られている。

個人的には規制とコストでがんじがらめの二輪の業界に残った
最後の過剰品質がここにあると考えています。

皆様も何かのイベントの際には是非とも、
少しだけ視線を落としてみてください
かがんでみてください
撫でてみてください