その168 TRANSALP400V

ホントに越えられるのか


TRANSALP400V


無縁レベル:3





Honda_NXR750-89_5.jpg

無敵のパリダカマシン
NXR750



ビッグオフの中にあっては珍しい水冷Vツインのエンジンを持つレースマシン。
砂漠を走ってる絵面をよく見かけるパリ-ダカールラリーのレースマシンで、
4年連続優勝するなど’80年代後半のラリーシーンを席巻したバイクでした。



レーサーレプリカ真っ最中のご時世、
そんなおいしい成績のキャラクターを
HONDAが放っておく訳がありません。





Honda XRV650 89
アフリカツイン(’88)

NXRの技術をフィードバック。
排気量こそ違うものの「NXRレプリカ」な立ち位置を与えられたビッグオフ。
さすがにラリーマシンというべきか、
行く道を選ばないロングツーリングマシンとして支持を受け、
日本国内でも毎度限定台数ながらちょくちょく販売されておりました。



で、実はアフリカツインの前に、
NXRのフィードバックを受けたバイクが存在しておりました。





Honda XL600V 87 2
TRANSALP600V(’87)

フルカウルを持つビッグオフ。
排気量は583ccながら、水冷・大きな車格の割に乾燥重量174kgと軽い車重。
装いこそアフリカツインのように「いかにもラリー」ではないですが、
フロント21インチのホイールと潤沢なホイールトラベルはそこそこの悪路も走破し、
コイツはコイツで立派にNXRの市販スタイルとして順当な評価をされておりました。

ちなみにこのトランザルプ600Vも国内販売は300台の限定。
このジャンルにおいてはHONDAさんだいぶ慎重です。


あとトランザルプという名前。
TRANS-ALPS「アルプス越え」の造語というのは有名な話です。
パリダカの砂漠縦断マシンからフィードバックしておきながら
なぜアルプスなのかって感じですが、
それこそパリダカイメージではなく
ネーミングに至るまであくまで公道を意識したバイクだった
ということなのかも知れません。







さぁ、’80年代後半の、海外市場で評価される600ccの存在。


もうフラグですよね。










Honda XL400V 91
トランザルプ400V('91)


そう、トランザルプ600Vの中免バージョン。

国内市場 降 臨



限定販売した600があっという間に捌けたのでしょうか。

もしくはレプリカの次を模索する例の流れから生まれたのか。

ともあれ600と車体を共通とする400という
不人気車要件を満たすバイクが送り出されたのです。

まぁ日本には日本アルプスがあるわけだから、
名前に則ってアルプス越えする分には日本はなんら困らないマーケットです。
標高差の分だけ排気量を削ったってなんら問題はありません。



いや何が困らないのか問題無いのか分かりませんが、
とりあえず諸元の方見てみましょうか。



水冷4stOHC3バルブV型2気筒398cc
最大出力 37PS/8500rpm
最大トルク 3.5kgm/6500rpm
乾燥重量 183kg
価格 \579,000





どっかで見たことある諸元と思いますがこれエンジンはほぼブロスです。


ブロスの方はレプリカ的な剛性感溢るる車体
気負う必要のないフラットなエンジンで楽しまんとするバイクでしたが、
結果的に実際にパワーがあるレプリカノスタルジックなゼファー系に持ってかれて迷走してます。

そんでお次はビッグオフのボディに積まれた水冷Vツイン。
しかもブロスより乾燥で20kg重い車体を担当。

つ、つらい…………


さすがに乾燥183kg、装備200kgオーバーのボディを加速させるにはパワーが足らず、
結構のんびりめの加速力で走って行くそうです。
ブレーキが多少プアなものの、加速がそんな調子なのであまり不足はなさそうな印象。
ただし元々のんびり道を選ばぬロンツー用途のためか、
気にする人があまり居ないのが幸いでしょうか。

それにしても装備200kgオーバーと言えば
400クラスでもそこそこ重い方じゃ--ん?







トランザルプ600V:乾燥174kg
トランザルプ400V:乾燥183kg






お前バラストでも着いてんの!?


確かに600と車体を共通する400の一部では
ピストンが小さくなってシリンダースリーブが厚くなったせいか
1,2kg車重が増えてる車種もいくらか見受けられます。


でもさすがに+9kgのシリンダースリーブは多分無い。
ざっくり計算したけどどんなに大きく見積もっても+2kgくらいで収まりそうだもの。

車重重くして排気量削ったらもう別バイクじゃない!!
重くして非力にするってお前どんな仕打ちだよ!!!
日本アルプスだってつらいよ!!!




なお見た目通り腰高なため、
重量と相まって気を抜くと立ちゴケしちゃうらしいです。
シート高も850mm。短足日本人には少々つらい高さです。
おまけにコイツはフルカウル。
取り回しの勘をつかむまでに2,3回カウル割りそうです。
う~んつらい……




ただ車重があって鷹揚なためちんたら動じず走れるため
飛ばさなければツアラーとしては全く機能的で、
燃費も普通に走ってれば20km/Lを割ることはまずなく、
タンク容量がでかいのでツーリング燃費に乗ってしまえば
航続400kmオーバーくらい余裕な中型としては十分なロンツーマシンなのです。

コンセプトはきっちり立っているのです。






なお4年程度でカタログから退場。


まぁ……アンダーパワーだけどフラットで鷹揚で、って
これもまた今出ればウケそうなバイクですね。

時代を先取りしすぎたのです。









Honda XL700V 11
ちなみに600の方は650→700とモデルチェンジを繰り返しながら
最終的にこんな姿↑になって長らく海外市場で生き延びておりました。

ミドルサイズの快適デュアルパーパス、
そのコンセプト自体はやはり間違ってはいなかったわけです。







レプリカの次を模索する日本市場に現れた
超重量山越えバイク トランザルプ



ボチボチ部品が厳しそうですが、
きっと愛あるオーナーの手によって今日もどこかをトコトコ走っていることでしょう。



2017/07/24 21:37 | 無縁レベル 3COMMENT(21)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

これ、関西に住んでた頃にコンビニで見たことあります。
へー400もあるんだー程度に思ってましたが、こうして見るとなるほど無縁レベル3…!

ところで乾燥183kgで37馬力ですか、まったく非力ですねぇ。アルプスを征こうだなんて、ふざけるにも程があるってもんです。
それに引き換え、乾燥202kgの私の愛車の搭載するDOHC4バルブ500cc2気筒エンジンがハイオクを飲んで叩き出す最高出力、なんと38馬力!

…あれ?トランザルプ意外とイケる…?

No:4831 2017/07/24 22:05 | みかや #- URL [ 編集 ]

某バイクイベントで会った1991年生まれの子が1991年式のトランザルプ400vに乗っておりました。
記事中にもあるように重くて腰高だけど一度走り出してしまえば気にならず、ツーリングマシンとしてはとても優秀と言っておりました。
独特のカラーリングがとても綺麗ですね。トランザルプ400v以外でこの色合いのバイクは見た覚えがあまりないです。

No:4832 2017/07/24 22:59 | セイスイ #- URL [ 編集 ]

去年北海道の一般ライダーはあまり通らない山道ですれ違いました。
動いている車体を見るのは4年ぶりくらいでしたが、惚れこんで乗っている玄人ライダーが今でもいるかもしれませんね。

No:4833 2017/07/25 04:04 | カワキド #- URL編集 ]

初めまして

突然ですがすみません。
父がこの緑の91年式に乗っていたのですが、ついにこのサイトで日の目を見ようとは••••••
小さい頃は後ろに乗せてもらって色々と出かけたのがいい思い出です。諸事情で数年前に手放したのですが、94年式になって戻ってきてました。

No:4834 2017/07/25 10:05 | parachan #- URL [ 編集 ]

トコトコ走るには・・・

 このマシン、自分の父が乗ってました。そのおかげで自分も乗れましたが肩肘張らずにマイペースでツーリングするには最適でした。
 ただ、どうしてもアンダーパワーだけはいかんともし難く、ちょっとした山道でも頻繁にシフトしないと失速するのはきつかったですね。確かにあの車格で37馬力では仕方ありませんが・・・
 あと、シートが堅くて一日乗ってるともうお尻が痛くて泣きが入ります!
 これ以外は特に悪いところもなく、ホンダらしく壊れない素直で楽しめるマシンでした。各部の作りも丁寧だったし、もし今度所有できるのなら600の方を試してみたいですね。これこそ本当の「トランザルプ」でしょうから・・・

No:4835 2017/07/25 18:08 | SIBU #- URL [ 編集 ]

返信

>みかやさん
排気量分のトルクがあればいいんですが、
トルクが400ですからねぇ……
件のMAXさんは車体の方が小径ホイール活かしすぎてて……

>セイスイさん
同い年のバイクに乗るとはすごい……
アフリカツインの尖った印象に比べると
だいぶ落ち着いていて雰囲気がいいカラーリングですよね。

>カワキドさん
山道で……この車重で山道入るの度胸と技術がいりそう……
これチョイスする人ならホント惚れ込んで乗ってそうな感じです。

>parachanさん
コメントありがとうございます。
初期型乗りだったんですな。
親父さんに抱えられてタンデムシートにポスンと乗せられるような感じで乗り降り?
想像するだけでよい光景です。

なぜ新しくなって戻ってきた。


>SIBUさん
あ、シート堅いんですなこれ……航続距離長いだけにもったいないですな。
オフっぽいナリながらVツインで振動も少ないでしょうし、
この特殊な車体でもHONDA的な優秀さがきっちり出せてるのがすごいですよね。
いやーホント600ならば……

No:4836 2017/07/25 20:05 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

真っ赤な空冷Vツインェ…

No:4837 2017/07/25 21:24 | 甜麺醤 #- URL [ 編集 ]

トランザルプ400…あったなぁ〜!
ホンダのオフ系はデグリやらNXとか
需要あんのか⁉︎的なモノが多かったですよね。
しかし600の進化版、自分的にはあらカッコいいと
素直に感じました。
大型免許取ろうかなー

No:4838 2017/07/25 21:32 | jota #- URL [ 編集 ]

はじめまして。いつも楽しく拝見してます。
当方42歳ですが、22年前の20歳の時に中免取って始めて購入したバイクでした。こいつで四国1週と北海道行きましたが1回の給油で400kmぐらい走るんで重宝しました。
立ちゴケ? 日常茶飯事でした笑。
後、こいつ確か当時でも珍しく4速だった気がします。

No:4841 2017/07/26 09:32 | ひろこ42歳オス #mQop/nM. URL [ 編集 ]

元祖アルプスローダー

その昔 アルプス越えの道は荒れた路面と先の見えないカーブが多く VF750FよりXL600のほうが楽に速く走れたそうな

其処で求められたものは 上体が起きたポジションと潤沢なストロークを持つしなやかなサスにロードスポーツ車のエンジン

スーパースポーツとトレールの融合でトランザルプ爆誕

アフリカツインはパリダカ人気に便乗したい営業サイドからの要求でトランザルプからNXRレプリカに発展したんです

No:4843 2017/07/26 23:22 | 天下無双アフリカツイン #ah9vLgDs URL [ 編集 ]

トランザルプときたらホンダのアルプスローダー繋がりで今度は125ccのVツインなアレでも期待したいですなぁ

No:4844 2017/07/27 16:23 | 上下サンド #FApejPBU URL [ 編集 ]

トランザルプは写真の緑メタの2トーンのほか、青メタの2トーンもありました。どちらも他社にはない変わった色合いで重厚感がありましたけれど陰気くさい感じもしました。若い人なら敬遠する色ですね~というわけで、色は重要だ!ということです。

No:4845 2017/07/27 21:01 | すずきん1400 #- URL [ 編集 ]

やっぱり色かなぁ。
アフリカツインの丸目2灯とHRCカラーなら、運命も違ってたでしょうね。
あと、600の最終型にはクチバシ付けたい!

No:4846 2017/07/28 15:21 | まほぞお #- URL [ 編集 ]

あと、蛇足で。。。

その昔、アフリカツインがハッチバック車の後席にカマ掘ってた現場に鉢合せました。

一度車体の上に乗り上げて、自重でハッチグラスを割ったんですかね?
とてもキレイな角度で突き刺さってました!

いや、それだけの話w


No:4847 2017/07/28 15:33 | まほぞお #- URL [ 編集 ]

前の職場の先輩が乗ってました。
身長が高く足も長い人だったので似合ってましたね~。
数値はアレですが、山中の悪路に入ったら250ccオフ車や2stレプリカを置いていく程の、低速での力強さはあったと記憶してます。

No:4848 2017/07/29 02:00 | TAG #VDqpTBXI URL [ 編集 ]

9kg差?

フレームもスイングアームも、両車の材質は変わらなそうだし、どーみても600と400で9kgの差がある様には思えないですなぁ
どっちらかがミスプリか、もしくは600がオイル無し/バッテリー無しのフル乾燥なのかなぁ?

No:4849 2017/07/29 11:04 | えだお #OHCp5Wxw URL [ 編集 ]

600Vで30年近く前の学生時代に北海道ツーリング行き、最高の相棒でした。不満はセンタースタンドが無いのと、フロント周りが車重に比較して華奢で強くブレーキかける時には気を使わされました。
ただ、当時の北海道は二桁国道でも突然ダートになったり、車両規制されていなかった知床奥地もダートだったりと、オンオフ走れパワーもあるトランザルプにとっては天国でした。大柄で疲れないし、ハンドル取り付け部分にはゴムダンパーも付いていて振動吸収してくれる豪華装備も。でも、ほとんど出会わなかったですが、納沙布岬で自分のを含め3台が偶然駐車場で並んだ奇跡に感動しました。

No:4854 2017/08/01 09:12 | カニ #5lgk84Pk URL [ 編集 ]

LAWSON

関西のコンビニ?
当店ですかね?
兵庫県南部のLAWSONです。
約20年前に閉店しましたが。
コンビニの先輩が、こいつに乗ってました。
しかも押しがけで…(´Д` )
そして、その方のオススメで自分もバイク乗りに。
立派な油まみれの鈴菌感染者に育ちました。

No:4855 2017/08/04 07:35 | オっさん #- URL [ 編集 ]

初めてコメントいたします。
トランザルプ400のブルーのほう、学生の頃乗ってました。免許とって初めて乗った新車でしたが、初めての交差点で立ちごけ。シートも重心も高いため、その後ストップやバックの際は相当気を使いました。フロントのブレーキやタイヤ接地感が、車重の割に貧弱だったのかラフなコーナーでフロントから崩れるように転けることは何度かありました。あと、ノーマルだとすごく静かなバイクでした。
これで北海道を走った時は最高でした。一旦走り出せば、直線安定感が高くどこまでも走っていける気がしたものです。道を選ばずのんびり走れるいいバイクでしたよ。

No:4859 2017/08/11 10:12 | ひろし #- URL [ 編集 ]

返信

>甜麺醤さん
ヤツはまた別の機会に弩級のレプリカ

>jotaさん
カバードスタイルのオフは割と多い気がしますね。
というかオフが充実してたのかな……
すんませんニュアンスがあれでした。
「このような近代的なスタイルに」という意味合いでした。
実はね……私もちょっと欲しい。

>ひろこ42歳オスさん
コメントありがとうございます。
給油400km……長距離運用いいなぁ……
やはり立ちゴケは常なんですな。
カタログだと5速ですが……まさか別の仕様地のがあったり?

>天下無双のアフリカツインさん
あぁーそれでアルプスローダーと。
しかしホンダは商業的にめざといなぁ……

>上下サンドさん
125ccのVツインは各社揃うからそれで1本ネタ?

>すずきん1400さん
青メタの方は見たことがないのです……
現物見てみたいなぁ。
独特の色合いですよね。優しくて個人的には好きですが確かに若い人むけでは……

>まほぞおさん
HRCカラーあったら多少持ち上げられたでしょうなぁ。
なにゆえオフ車にはくちばしが似合うのか

>TAGさん
ガタイが良い人、背の高い人はうらやましいですよね。
その分小さいバイクは窮屈なのでどっちもどっちですが……
低速がスムーズかつ強いから使える人が乗るとヤバイんだなぁ。

>えだおさん
私も後で調べてみたんですが、
600はどこで見ても決まった車重に対して400は情報に振れがありますね。
それでも6kg程度の差がありそうですが……なんで重いんでしょ?

>カニさん
あれ!?これセンタースタンドないの!?
オフの重量車はなんかフロントブレーキが泣き所な印象が。
それにしても3台揃うと迫力ありそうですな。

>オっさんさん
これの押しがけ……やりたくねぇ…………

>ひろしさん
コメントありがとうございます。
なんとブルーカラーの方!
やっぱり立ちゴケが怖い車種なんですなぁ……
みなさん北海道行ってますね。
ロングツアラーいいなぁ。

No:4864 2017/08/20 19:53 | Chaos-T #- URL [ 編集 ]

国内仕様は600はリヤドラムで、400はディスクで豪華バージョンでしたよね。バイク屋で見比べたらスイングアームも400の方が少し太かったイメージがあります(もう大昔の事なので記憶が・・・)

No:4879 2017/09/10 11:40 | ino #- URL [ 編集 ]

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