スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/-- --:-- | スポンサー広告  TOP

その169 MEGOLA

変態設計のペンタグラム


MEGOLA


レベル不明





戦前のバイク

というのは正直資料を探すのも面倒だし、
その手合いは別の詳しい方が紹介されてたりするので触る気はなかったんですが……













DSC08108.jpg
MEGOLA


珍車業界ではある意味有名なバイクです。





DSC08108ss.jpg
理由は見りゃ分かりますね。



星形エンジンと呼ばれる、
シリンダーを放射状に配置した
プロペラ機(飛行機)なんかで採用されていた形式のエンジンを搭載しております。

それもフロントホイールの内部に搭載。


帰省で実家の本棚見てたらコイツの解説記事が出てきたので、
今回は趣向を変えてホントにクラシックなバイクをご紹介いたしましょう。





Megola Touring 1

登場は1921年と言われます。

が、情報を漁ると22年だったり20年だったり生産開始年がどうも特定しづらいです。

似たような時期ですと1923年、BMWのR32が登場しています。



BMW R 32 3
BMW R32

水平対向2気筒にシャフトドライブという、
今日に引き継がれる定型がすでにこの時点で完成しておりました。


ちなみにMEGOLAもBMWもドイツのミュンヘン生まれ。

今に血脈を残すBMWと今現在どころか他に類を見ないまま消えたMEGOLA。
同じ時期に同じ土地からこれだけ対照的なバイクが生まれたのは面白いもんです。





DSC08108.jpg

さて、話をメゴーラさんに戻しましょう。

その特徴的なフロント・インホイール・エンジンですが、
飛行機ライクな星形5気筒エンジンを搭載。
サイドバルブ方式で総排気量637ccのエンジンは14馬力ほどと言われています。


ところで星形エンジンってどうやらざっくり2タイプあるらしく、
私は今回メゴーラさんの記事を読むまでもう1つのタイプの星形エンジンを知りませんでした。





P1780007ss[1]
フロントホイールの図ですが、
私はてっきり星形エンジンも普通のレシプロエンジン同様、
クランクシャフトの回転を取り出して使うもんだと思ってました。
要するにハブがクランクシャフトと固定されていて、
シリンダーはそのままにホイールが回転するイメージをしておりました。






P1780007sss[1]
ところがメゴーラさんのエンジンは回転星形5気筒」というヤツで、
シリンダーの方がホイールと一緒に回転するエンジンなんです。
エンジンの軸は固定。

そ、そっちが回るのかお前。
シリンダーの方がくるくる。



飛行機の世界でもどうやらこれは普通にあるらしく……
むしろシリンダーが勝手に回転するから
空冷エンジンとして考えると冷却面が有利軽量・コンパクト化が可能。
さらにシリンダーが巨大なフライホイールとして機能し回転がなめらかだわ
図体でかいシリンダー群が回転するからジャイロ効果で安定するわで、
ホントに普通に使われていた形式らしいです。


ジャイロ効果がちょっと怪しいところですが、
軽量コンパクト化のエンジンはバイクにとっては貴重なモノ。
回転星形エンジンは決してキワモノ採用でなかったことを伺わせます。



ただ現在のバイクと比べると--もとい、BMWと比べると
ちょっとおっかない部分があるメゴーラさん。



DSC08108ss.jpg
フロントホイールで全てが完結しているため、
コイツにはクラッチ・ミッションがないんです。








い、一時停止できない。







始動から発進まではこれ見るとわかりやすいと思います。

フロントホイールスタンドがあるので
スタンド立ててホイールをおもっくそ回せばエンジンはかかりますが、
その状態でスタンド払うとエンストしかねません。

よって押しがけ。
ボブスレースタート。


まさかこんな潔いバイクが居たとは……
今の公道じゃ乗れないなぁ……


ちなみにメゴーラのタイヤサイズだと60km/hはホイールで500rpm弱。
ホイールとエンジンを直結したりしたら大変です。
ガソリンエンジンで500rpm弱なんて効率の面でかなり心許ない回転数です。




P1780005.jpg
そこでメゴーラはクランクシャフトとクランクケースの間に遊星歯車を組み込み6:1に減速。

本来クランクシャフトは固定で運用できる回転星形エンジンなのに、
シリンダーのみならずクランクシャフトまで遊星回転しているという
変態エンジニアリングの極みを尽くした素敵メカニズムが
あのフロントホイールに組み込まれているのです。

設計者フリッツ・コッカレル氏、とんでもないド変態です。



ちなみに吸気系はフロント右側に据えたタンクからハブのとこに据えたキャブにガソリンを流し、
キャブからクランクケース→導通パイプを通って混合器がシリンダーに充填される方式。
排気系は15cmくらいのパイプが刺さってるだけ。
サイレンサー?
着けるスペースあるかそんなもん。

まぁ時代が時代なので直管も珍しくはなかったような……。







P1780006[1]
ちなみに当初はリア・インホイール・エンジンも検討されていたとされます。


トップスピードは80km/h程度とされていますが、
なんでも1924年のドイツ国内のレースに出場したコイツは
140km/h以上の速度でぶっちぎり優勝したらしいです。

お前はもう空でもどこでも飛んでいけ。







さて、エンジンの特異さで語られるこのメゴーラ。
今回発掘した記事で興味深い部分があったので紹介しておきましょう。



実はコイツはエンジン・駆動以上にフレームも未来を行っていたとされます。





DSC08108.jpg

改めて車体の方を見てみると、
古めかしさを感じさせるボリュームのあるフレーム。
どこか古いスクーターを連想させるそれはプレス鋼板を溶接したフレームです。
なんの変哲もないフレームに見えるんですがその形状が連続的に変化してることが分かります。

1920年代の時点で、
応力分布に対して形状を変化させる設計をしていたわけです。


ヘッドパイプ周りの上下厚は少し大きめに、
そこから少し痩せたと思いきや
前輪と後輪の中間地点あたりで最も太くなるようにして、
後輪の支持部にむけて細くなるように、
フレームにかかる負荷を意識して連続的に変化させた形状をしています。

強固なパイプで支持部を結ぶ、
当時一般的なフレームとは一線を画す恐るべき設計。

その上でリアホイール周りには近代のスクーターを連想させるカバーパネルを装着。



Megola Touring 1

シートも当時一般的だったサドル形状のものとは別に、
まさに「シート」な形状のバリエーションを用意。


繊細なフレーム設計と共にデザインをも意識した
恐るべき感性が生み出したバイク。

生産終了は1925年と言われ、その間約2000台が市場にでたといわれます。





結果的にBMWが生き残り、
MEGOLAはその名を出しても疑問符で返ることが多いバイクとなりました。

しかしいつの時代にも情熱がカタチとなった執念のようなマイナー車が存在するのです。



いつかドイツに現車を見に行ってみたいもんです。




2017/08/20 18:51 | レベル不明COMMENT(13)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

メカ的には超良いですね。
あとは遠心クラッチ的な物があれば…

No:4863 2017/08/20 19:11 | 和泉屋 #LY4Vf4ms URL [ 編集 ]

存在は…

モーターサイクリストの古いのには載ってた記憶がありますが、
動画見ると頭おかしいっすね。。。
ニコイチorこれのリアをくっつけたら…2WD…(怖
http://www.honda.co.jp/sou50/Hworld/Hall/2r/67.html

No:4865 2017/08/20 20:46 | うどん #wb1Dxy.6 URL [ 編集 ]

構造がド変態過ぎる…ですが技術者としての情熱を感じますね。
車のシート的なシートのバリエーションの方は、手前に持ってこられたハンドルと相まって「馬車」な雰囲気です。
というかこのタンク位置だとコケ方によっては一瞬で炎上しそうですね…

No:4866 2017/08/20 20:48 | セイスイ #- URL [ 編集 ]

ブレーキは?

一時停止できないどころか、ブレーキ付いていますか?

No:4867 2017/08/20 21:17 | すずきん1400 #- URL [ 編集 ]

黎明期の収斂前の迷走の産物の割にデザインが完成されすぎてて若干戸惑います。
電動で現行のラインナップに入ってても違和感のないお洒落さ。
びっくりして色々と調べたら何故か出てきたコイツとカブの私生児みたいなパーツが10年前に有ったんですね。
Revo power社が産んだ自転車用動力内臓前輪「The Wheel」
詳細を調べようと会社のページにアクセスするともう無くなってるようで……
もし良ければMEGOLAの供養ついでに手を合わせてやって下さい。

No:4868 2017/08/21 03:15 | だらだら #- URL [ 編集 ]

世界一ィィィィーーーーッ!!!!

おや丑三つ時にどこからともなく雄叫びが聞こえてくる。
空耳でしょうか?

これリアにブレーキが一応ついているようですけど最終的に止まるには靴で止めるしかないでしょうね。
クラッチ無しでボブスレーしないといけませんがそれは鉄血宰相が率いる国ですから…

そういえば数年前、フロントに洗濯機のモーター組み込んだ電動自転車が市場に出ておりました。
本業がコケたあおりで吸収合併されてしまうとのことで在庫処分品を入手し楽しく乗り回しています。

モーター+人力のハイブリッドによるAWDなので多少の積雪ならものともせず走りますし、折り畳みは運搬の自由度が高くなるので何かと重宝しております。
まぁあれですね欠点と言えばフロントホイールに重量物がある上にサスペンションがないので乗り心地が悪いのと積載重量が人込みで60㎏なのでフレームが折れても文句が言えないことです。

未来を先取りしすぎましたが、モーターならパイプやホイールの中に仕込むことも可能なのでいずれまた大佐のように復活するでしょう。

No:4869 2017/08/21 04:21 | SIG #- URL [ 編集 ]

これはまた、超ド級の変態さんですね(笑)
ただ、モーターサイクル黎明期らしい未完成で、
でもこだわりはつまってて、
そんな旧き良き時代の遺産で、これはこれで良いのではないでしょうか。
クラッチミッションが無かったりサイレンサーが無かったりは潔い、味として楽しみたい、
そんな個体です(^o^)

No:4870 2017/08/21 08:40 | NZTRSS #- URL [ 編集 ]

これ応用したらバイクサイズの航空機作れませんかね?

No:4871 2017/08/21 10:57 | #- URL [ 編集 ]

存在は知っていたけれど

いつも楽しませていただいてます。
画像見て、メゴラか、喪主にしては分かりやすい変態バイクを…… と思ったのですが、読んでびっくりです。エンジン自体が回転するとか減速用の遊星ギアがあるとか、そこまでやっっといてクラッチが無いとか(いや、構造上仕方ないんだろうけど)。
調べて、まとめて、楽しめる形にする事の威力を思い知った次第です。いつもと少し違う趣向を楽しく読ませていただきました。
無縁単車、不人気車、マイナー車と言わず、全てのバイクの喪主評を読みたいです。今後もご活躍を祈願します。

No:4872 2017/08/22 19:04 | Zwiebeln #- URL [ 編集 ]

”レッドバロン”リヒトホーフェンの乗機のエンジンがこの形式でしたね。
同じ国の同じ時期の赤、ということでなんか関連があるんですかね。
あれも主翼3枚だったり変態的でした
メゴラ、中心の燃料、オイルの供給部のシールが良くなくてじゃじゃ漏れだったそうで。今ならシールも遠心クラッチも組み込めそうだから実用化できそうな、、、
誰もやらないか(笑)

No:4873 2017/08/28 14:27 | なるぞう #- URL [ 編集 ]

まさかこれが来るとは(笑)
次は是非ドイツが産んだもう一つの変態、オペルの火薬ロケット付きのアレを…

No:4874 2017/08/30 20:11 | 温泉太郎 #- URL [ 編集 ]

バイクに限らず瞭明期のテクノロジーって、いろんな分野の最先端技術の塊のような気がします。
専業メーカー化が進むと横の横断が無くなるからか、ぶっ飛んだものが出て来なくなるのでしょうか。。。。

星形キャストのスカイヤングのような一品が出て来て欲しいですね!

No:4875 2017/09/03 12:37 | まほぞお #- URL [ 編集 ]

メゴラを現地で見てきました

2014年に現地のドイツミュージアム交通館で現物見てきました。
まとめたものをURLに貼りましたので御確認下さい。

ドイツミュージアムの表記曰く1922年製造(Wikiの画像)が
スポーツタイプで豪華なシートの方が通常版らしいです。
Nsuミュージアムは行ってませんが黒い方の通常版メゴラの展示がある様です。
通常型が最速80km位
スポーツが100km位で140kmは相当弄ってますねw

No:4876 2017/09/07 19:26 | くるす #mQop/nM. URL [ 編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。